1年位前に見かけたZopa 、実はまだ生きていました。
*Zopa cheatsheet*
【名前】Zopa
【発音】ゾーパ
【由来】Zone of possible agreementという経済用語。
売り手と買い手が合意可能な価格帯という意味。
詳しくは「“Zopa”@プロジェクトマネジメントOS本舗 」へ。
【国籍】イギリス
【創業者】Richard Duvall
*eバンクであるEGG をスタートさせたチームのマネージャークラスの
メンバーが多数在籍している模様です。
【何?】個人間のお金の貸し借りを仲介するマーケット
【方法】
・借りる
与信審査を受けます。
25年以上個人融資に関わったベテランが、クレジットカードの
与信情報などを元に与信をランクわけします。
これによって借り入れの際のレートが変わります。
希望レートと金額借り入れ期間を提示
ここでマッチングできれば借りることが可能。
毎月せっせとお金をかえしましょう。
・貸す
Zopa専用の口座に入金します。
希望レートと貸付金額、期間を提示(平均7%ほど)
マッチする借り手に貸付
*ただし、500ポンド以上の貸付の場合、最低でも50人に分けて貸付を
行います。
・デフォルト(債務の不履行)
デフォルトが発生した場合、Zopaは即座にその債権をサービサーに売却します。
その売り上げを債権者に分配します。
・デフォルトの発生率
デフォルトの発生率は3%ほどだそうです。50分割して貸付するので、
2~4%のリスクプレミアムを織り込んでレートを決定すれば理論上OK。
2005年10月現在、ゆうちょの定期預金1年ものが0.25%の利率ですので、
4.25%以上の利率で貸し出せばゆうちょに置いておくより得です。
【会員規模】80,000人程度
【融資総額等】不明
【参入市場規模】
消費者金融の市場規模 10兆2,000億円
(日本総研 2005年
より)
【競合・類似サービス】
こちらはシリコンバレー産のベンチャーです。
Zopaの欠点である「借り逃げ」防止策がユニークです。
Prosperはグループという概念を導入しており、グループに所属することで
有利なレートを得ることができます。
逆に、グループ内でデフォルトが発生すると、グループのレートが悪くなります。
つまり、より有利なレートを得る為にはグループに所属し、デフォルト発生しない
ことをウォッチすることが必要なのです。
・Billmonk
「あの人にいくら貸してて、あいつからいくら借りてる」を可視化するサービスです。
あくまでもリアルの世界での貸し借り関係を可視化しているのですが、基盤的には
ソーシャルファイナンスの可能性があります。
ネットゲームの通貨の貸し借りも可視化されていたりしていますので、
決済手段が実装され次第、RMTの基盤となるかもしれません。
【課題】
貸し手借り手ともに不足しているようです。
ただ、与信審査が厳しい為に絶対数が伸びないということかもしれませんが。
イギリスだと無担保融資でも10%くらいで借りられるらしいので、
面倒くさいわりに、借り手にあまりメリットがないとか。
貸し手にとっても、「前倒し返済」が結構起こる為に、期待していた利率を得られない
という事態が結構起こるらしいです。
【日本での可能性】
今のところ日本に類似サービスはありません。
リスクはあるものの、日本の消費者金融が利率20%以上の一方、
銀行に預けても1%にも満たない利子しかつかないのが現状ですので、
貸し借り双方にメリットがあるといえそうです。
・法務リスク
法務上、この事業がどういう解釈をされるかで必要な免許が変わります。
単なる仲介、市場ということであれば貸し金業免許でいけるらしいですが、
一度お金をプールする為に“銀行業”と判断されてしまうと、銀行免許が必要に
なり、これは取得が厳しそうです。