How to fly・46 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください





















「あの状況でそんなこと考えるなんてばっかじゃないの?!」

「でもさー」

「でもじゃなぁーいっ!ぶわぁーかっ!」



体 内 の洗浄が終わって、全身も丁寧に洗った

怒りの治まらない彼の身体を拭かせていただき、服を着る手伝いをさせていただき、髪を乾かせていただき、ようやくご機嫌が戻ってきた



「はぁー、喉渇いたぁー」

「何か買って来ようか…って、まだここから出られないのか」

「もう閉店したんじゃない?」

「え?もう?」



ここには長く通っているが、早い時間に店を閉める日があるのは知らなかった


携帯を見る


通常の閉店時間から一時間が経過している



「うわっ もうこんな時間?!全然気付かなかった」

「お酒飲もー」

「俺もいい?」

「もちろ~ん」



彼に続いて部屋を出る

暗い通路を抜け、低い階段を上り、見た目に反してぺらぺらの薄い板を背にして、立つ



「こんな景色なんだなぁ」



ゆっくり歩きながらポールの側まで進む


部屋に行く時に初めてステージに上がったが、周りの景色を目に入れる余裕は無かった

今はうるさい音楽も無く、照明も半分落とされている

それが余計な境目を消しているのか、どこまでも続く空間を連想させた



「地下だけど、結構気持ちいいでしょ?」

「うん、気持ちいい」



酒の入ったグラスを二つ手に持った彼が、特等席に座る



「いつもこんな風に見上げてたよね」



口を開けて、熱っぽく見つめられる

わざとらしく腰を引いて見せているのは、俺が 欲 情 していたことを、それを隠そうとしていたことを知っていたということか



「そんなアホ面じゃねーし」

「そう?似てると思うんだけどなぁ」

「お前はこんな風に見下ろしてたよな」



ポールを握り、彼を真似て身体を浮かしてみた



「おっ…わあっ」



ドシン

床に尻餅をつく



「あははっ 俺はそんなかっこわるくないですぅ~」

「なにこれ、全然浮いてらんない、見てるより超絶ムズいっ」

「コツさえ掴めばそんなに難しくないよ」

「とおっ」



もう一度チャレンジしてみたが、二秒とキープ出来ないうちに再び尻からドシンと落ちた



「あははっ」

「そういえばさ、あれもすごいよね、どうなってんの?」

「あれってどれ?」

「身体が床と水平になるやつ、スーパーマンみたいなのあるじゃん?」

「あー、あるね」

「ここにこうやってポール挟んでるだろ?」



宙で再現することは不可能だと悟ったので、床にうつ伏せになってポールを股に挟む



「そうそう、身体の使い方は近いかも、さすがよく見てるねー」

「これってさ、支点は股じゃねーの? ち ん こ 直撃で痛くね?」

「うん、痛い」

「ぇえっ?!まさか毎回潰れちゃってんの?!」



想像しただけで袋が縮み上がり、背筋が冷たくなる



「だからそれもコツだよ、捲き込むとマジでヤバイかんじになるから、どっちかに外すってゆーか」

「外す?なるほど…こっちかこっちに外す…」



床でうつ伏せのまま、ポジショニングを幾つか試す



「うん、ダメだ、これは余裕で潰れるな」

「見たーい、やってみてー」

「出来るわけねーだろっ しかも潰れるって言ってんのにっ」

「無様に落ちて痛がるのを見るのがおもしろいんじゃーん」

「お前…ちょいちょい酷いよな」



馬鹿馬鹿言うのも、ヘタくそ爆弾も、思い返せば色々と酷い



「やばーい、嫌われるぅ」

「そんなことで嫌うわけねーし」

「じゃあ、好き?」

「好きだよ」

「…俺も」


「かもは取れたんだ?」


「取れた、かも~」

「んふふ」

「ふふっ」



視点が逆転しても、客でなくても、今は共有出来る物がある

願わくば、自分の居場所はここであると、迷わずに、堂々と思ってくれたらこんなに嬉しいことはない



「明日はどーすんの?」

「お休みは一日で充分です」

「そっか」

「ねぇ、また…会いに来てくれる?」

「当たり前だろ」

「…ありがと、待ってる」

「予約は?したほうがいい?」

「んーん、あなた以外の予約は受け付けないから」

「うん、分かった」



それから二人でのんびりと飲んで、たくさん話して、夜を明かした

















つづく