二宮さんご生誕記念祭2016・7 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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祝☆二宮さんお誕生日企画第七弾


『カミシバイ 序章』





















万物に神が宿る時

全ての扉が開かれる



一辺では恵みとなり

一辺では災悪となり



強大な力の前で、人々は成す術もなく



時には歓喜し

時には立ち竦む




古国書を読み解く者によると、今年は災悪が巡るとの報せがあった



王は、静かに馬を走らせる



山を二つ越え、鳥の囀ずりも聞こえない程の深森へ



「ここで待っててね」



道が消える前に馬を止めた



葉が一層濃く生い茂り、空からの光も無くなるが、単身で進む王の足に迷いは見えない






「和」



質素な小屋の戸を叩いた



「なに?こんなとこまで来たら駄目じゃん」

「だったらもっと頻繁に城へ来てよ」

「簡単に言うけどさ、いつも大騒動になるじゃない?」

「騒ぎたい奴には勝手に騒がせておけばいい」

「で?今日はなに?」



災悪が訪れる時

大きな影響を及ぼす扉は決まっている

そこから溢れ出るモノとの共存を何度となく試みたが、上手く事が運んだという話は無い



「今年の巡りは災悪なんだって」

「そうらしいね」

「…行くの?」

「行きますよ」



この者に、行かないという選択肢が存在しないわけではない

それは誰しもにある取捨という権利



行きたい意志を持つ者だけが行く


その命を掛けて



だが実際はそう甘くはない

崇高な信念、立派な正義、例え命を掛けたとしても、それだけで辿り着ける場所ではない




「俺…まだ命令してないよ」

「そんなの関係ないし」



戸を叩いた王は、行けと命ずる力を持つ



「月日は?もう決まってる?」

「まだ…詳しくは…」

「どこかでふらふらしてるかもしれないけど、貴方に呼ばれたらすぐに立つよ」

「…和」

「そんな悲しい顔しないでよ

役割、古の理よ、決まってるの、あんたのせいじゃない」




種とは、抗えない血の筋が通る道

生まれ持った力と、生きる意味



決まっているから楽なのか

決まっているから酷なのか



分かっていても、筋を選ぶことなど出来る筈もない

















つづく