風俗系のバイトの面接??


マジかよ・・・・・・



「松本、体育館のトイレ行ってくるから、この間みたいに外で見張ってろ」


相変わらずの命令口調だけど


内心はこのトイレが怖くてたまんないんだよな



文化祭ってことで、外部の女子が入っていったそのあとで、



俺の胸にスクールバッグを押し付けて



トイレに消えた



スクールバッグの開け口から見えたぐちゃぐちゃに丸めた紙



駅で落ちたこれを、隠すようにバッグに入れたのを思い出し、そっと出して



開いてみた・・・・・・ごめん・・こういの反則だな




なんだ・・これ??




経験は?・・・・2人



スキなた・・・い・・・い・・・・わかりません




キスはスキですか?・・・はい



今、彼または旦那さんがいますか?・・・・はい、います




嫌いなタイプの男性でも誠意をつくしてできますか?・・・・はい




こんな質問ばかりな並ぶその上には本名、住所・・・・・



つけて見たい名前・・・・美月






接客業って・・・風俗かよ


いくらオーナーのくそおやじに断り


逃げてきたって・・


腹立つ・・・・




アンケート用紙を手で握りつぶし


そのまま元あったバッグの中へ投げ入れた



「松本・・・ありがと。怖くなかったよ」


俺の腕に腕を絡めてくる彼女の唇には



グロスが塗られて、テカテカに光っていた。


顔を近づけると、フルーツの香りが唇から漂う



「ん?塗ってみた。トイレでグロス」



「なんで?」



「うん・・松本に・・・見てほし・・・」



「落とせ!ほらっ」


ズボンの左ポッケに入ったティッシュを差し出し


彼女の顔をまじまじ見つめた



「似合ってないか・・・・・・なっ?」



グロスがあまりにもテカテカしているのはスキじゃない




キスしてください!って書いてあるようなもんで


おまけにこのかなり甘ったるい香りを


面接でプンプンさせて、色気を振りまいたのかと



思うと、歯磨きとうがいでもしてもらいたいとこだった



「松本?なんか変だよ・・・」


手鏡に向かって、唇を拭う彼女が俺の顔を見上げて



顔のパーツのすべてを中央に寄せるような表情を見せる



「これでいいかな?」



睫毛が上向きにカールされ、薄いピンクのチークのみのメイクの彼女の



唇は俺がスキな少し赤みを帯びた色に変わっている




「まぁまぁだな」




俺の腕に手を巻きつける彼女は、楽しそうに俺のカーディガンの袖口を


伸ばし始めた



「松本、どこ連れてってくれる?」



「どこがいい?逆に?」



「松本と一緒ならどこでもいいけど・・・・」




「じゃっ・・ホテルに直行」




「いいよ」


いいんだ・・・・


模擬店とか


後夜祭は関係ねぇんだ



「よくねぇよ。全然。・・結局さっ?お前、ホームレスに襲われて


トラウマになって・・・赤ちゃん・・・できて・・・ってそれ嘘なんだろ」




そんな思いした女が風俗のバイトの面接いくか?



「美月」って源氏名まで考えてんのか・・・



どういうことするのか知ってんのかよ





どうせ・・・俺の気をひくための演技だよな・・襲われた話



「松本・・・本気で言ってる??」





つづく