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原発ホワイトアウト/講談社
¥1,680
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見所
 
この本はキャリア官僚による告発本です。
 
 
 
震災の教訓が活かされず,
再稼働へと着々と進んでいく原発…
しかし日本の原発には,国民が知らされていない
致命的な欠陥がありました。
 
 
 
この事実を知らせようと行動を始めた著者。
しかし・・・
迫り来る尾行,嫌がらせ,脅迫…
国民に原発の危険性を知らせるには,
ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった。
 
 
 
内部の人間だからこそわかる詳細な描写。
政府,官僚,マスメディア,地方自治体,
様々な分野に影響力を広げる電力会社の陰謀。
 
 
 
福島の事故から学んでいない電力業界の
実態が浮き彫りになります。
 
 
 
にんじんの感想パパ
 
 
 
大きな傷跡を残した東日本大震災。
絶対的な安全を謳っていた原発ですが,
想定外の地震と津波によって引き起こされた
福島での原発事故。
 
 
 
そこから脱原発に向けての流れが加速し,
全ての原発が停止されました。
このまま原発廃止へと動いていくのかと
思っていました・・・
 
 
 
がっ・・・泣 
 
 

なかなか進まない発送電分離化。
水力,火力,原子力に頼らない新たな発電方式の
開発も停滞気味・・・
 
 
 
そして,
独占企業だからこそできる
電気料金の値上げ。

 
 
 
火力は高いです。
原子力は安いです。
原子力発電で生じる廃棄物は
後世の方々が処理しますので,
今は放っておきましょう・・・
 
 
 
家計の圧迫に耐えられず,
時間とともに国民の意識は薄れていき,
じわじわと広がっていく原発再稼働に向けた動き。
  
 
 
電力会社は政府,官僚,マスコミ,警察にも
働きかけます。
巧みな手段で甘い蜜を提供する電力会社。
その魔力に操られ,それぞれの立場で
原発再稼働へと動き始めます・・・
 
 
 
反対する者は逮捕・・・
世論自由に操るマスメディア・・・
ねじれが解消され,思うがままに法案を通す与党・・・
 
 
 
著者はそんな現実に直面し,
国民にこの事実を知らせるため,
偽名を使ってこの本を出版しました。
 
 
 
おそらく省庁の重要ポストではないかと
予想されています。
内部にいたからこそわかる驚きの事実が,
この本の中で克明に記されています。
 
 
 
この本はフィクションという体で,
架空の登場人物によってストーリーが
展開されていきます。
 
 
 
がっ,
所々で登場する現実の人物名。
小泉元総理,鈴木宗男氏などなど・・・
 
 
 
どこまでがフィクションで,
どこまでがノンフィクションなのか・・・
 
 
 
架空の登場人物も,現実世界と酷似しています。
 
 
原発再稼働に反対する新崎県知事 伊豆田清彦
 やじるし新潟県知事 泉田裕彦氏
 
保守党で原発反対の一匹狼議員 山野一郎
 やじるし自民党 衆議院議員 河野太郎氏
 
脱原発俳優 参議院議員 山下次郎
 やじるし参議院議員 山本太郎氏
 
反原発運動を支援している弁護士 海土義之
 やじるし弁護士 海渡雄一氏
 
 
 
現実と架空世界の境界線は曖昧で,
大部分が真実なのではないのでしょうか・・・
 
 
 
電力会社の陰謀に騙されないように・・・
甘い蜜を吸っている人間の策略に,はまらないように・・・
国民1人1人が,知識を身につけておく必要がある・・・
そんなことを思い知らされる本です。
 
 
 
原爆,福島の事故を経験した日本人だからこそ,
真剣に考えなければならないことがある気がします。
 
 
 
この本の匿名の著者と,出版を決意した講談社に拍手です。
ドラマ化,映画化して,広く伝えて欲しい本です。
興味がある方はぜひどうぞ。
 
 
 
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