春秋 -ことば- | にっけいしんぶん新聞

春秋 -ことば-

-1面-

▼導入の流れが強まっていた小学校での英語必修化に、伊吹文科相が「必要は全くない」と待ったをかけた。「美しい日本語が話せず書けないのに、外国語を教えても駄目」なのだという。
▼賛否が分かれる問題に一石を投ずる意味はあろうが、子供時代に耳から覚えた言葉は理屈抜きに身につくはずだ。すでに多くの小学校が英語に親しむ時間を設けているが、「アップル」の発音一つ聞いてみても感心してしまう。
▼ここは冷静に国語力強化との相乗効果を考えてはどうか。
▼文科相の唱える「美しい日本語」は新政権が掲げる「美しい国」に重なるのかもしれないが、日本語は結構したたかな言語だ。外国語教育が母語を知る手立てになりはしないか。美しいとは思えない「再チャレンジ」などという言葉も定着してしまうのが日本語なのだ。


「再チャレンジ」という言葉に違和感を持っているのは記者だけではなかったのですね。
やっぱり「美しいことば」とは思えないですもんねえ。

それはさておき、小学生の英語教育、たしかに賛否両論あるところでしょう。
ですが、国語との兼ね合いはともかく、小さいうちから英語に耳を慣らすこと自体は、悪いこととは思えません。

こないだうちで知人とビールなど飲んでいたところ、横で遊んでいた2歳児が「ビール」「ビール」とものほしそうに訴えはじめました。
2歳のくせに、それも真昼間からビールをよこせとは、いったこいつはどんなしつけをしてんだよ、と思ってよくみると、なんとその子はうちの甲児(カブトムシ♂)を指しているではありませんか。

Beetle!

ああ、なるほど、ビートルね。
たしかに「ビートル」よりもむしろ「ビール」だわ、と妙な感心をしたものです。

そこで「じゃあこれは何?」と記者が手にしていたビールを指すと、やっぱり「ビール!」。
ううむ、これは「ビール」か。
まあさすがに幼児の教材にbeerは出てこないか、しかたがない。

でもよし、せっかくだからこの際、記者がテーブルにあるいろんなものを教えてやろう。
ガイジンとちゃんと話はできなくても、幼児相手の単語くらいはまかせておいてくれ。

記「これは、タイトウ」
幼「タメイトウ!」

そうそう。

記「これは、パイトウ」
幼「パテイトウ!」

おお、いい調子だ。
記者の気分はもうウィッキーさんですよ。

記「ディス・イズ・イヤイズ!」
幼「メヤネー!」
記「ノーノーノー!ルックルックルック!・・・ヴァ!
知「『ヴァ』は入ってねえだろ!てか、ややこしいからマヨネーズはマヨネーズのままにしといてくれ」


・・・とまあ、モノの単語ばっかり一生懸命教えるのがいいのかどうかわかりませんが、でも「イノベーション」なんて中途半端な英語だか外来語だかが政権公約や大臣職にすら跋扈する時代、言語難民をつくらないためにも、早期の英語教育は必要なのかもしれません・・・。