万博はなぜ成功したのか -なぜ?- | にっけいしんぶん新聞

万博はなぜ成功したのか -なぜ?-

強いリーダー企業の推進力 -26日5面-

愛知万博が想像以上に成功したのは、日本国際博覧会協会長に日本最強の企業であるトヨタの豊田章一郎しを頂き、顔をつぶさないためにも数多くの会社が協力したからだ。
寄り合い所帯であっても、目的達成のためのリーダーシップがはっきりし、そのリーダーが期待通りに責任を持って先頭を走ることが、成功の原則である。
ジリ貧の日本の半導体の共同事業がもうひとつ成功していないのは、この単純な原則が忘れられているからではないか。


やや意訳気味ですが、こんな感じのやや長編コラム「核心」、万博の大成功と半導体事業の低迷を結びつけるあたりは、ややタイミングを狙いすぎの感はあるにしても、ふんふんなるほどと面白く読みました。

ただ、結びの章では下り坂を転がる日本の半導体産業をマージャンに喩えていますが、マージャンを知らない人にはさっぱりわからない喩え方で、それもやや唐突で強引な気がしました。

「まず事業モデルが水平分業・グローバル化に対応できず、振り込んで負けた」

これは自滅した、ということでしょうか。
続いて、

「さらに設備投資競争に遅れ、サムスン電子など相手につもられて負けた」

これはモタモタしているうちに敵に出し抜かれた、ということでしょうか。
しかし、マージャンの勝ち負けは運に左右されるところも小さくありませんが、半導体事業の敗因は明らかに戦略の失敗だといえるでしょう。
ふりこんだ、つもられたというよりも、むしろ「牌の流れを読み誤った」というところかもしれません。

「このままでは復讐戦の卓を囲まずに負ける公算もある」

とさらにマージャンに喩えてから、「一ラインの設備投資だけで三千億円規模になる勝負に挑むならよほどのリーダーシップが必要だ」と最後に「リーダーシップ論」に戻って結んでいます。

記者があえてマージャン風に補足するなら、「極めて高い“場代”に見合う“レート”であるのかの判断も必要」ということになるでしょうか。
巻き返して仮に韓国勢などと互角以上の勝負をできたとしても、ライン一本数千億円という高い投資リスクに見合うだけのリターンがあるのかどうかの見極めも必要だということです。

ほんとにジリ貧となりつつある日本の半導体産業、企業の垣根を越えた集約はかなり進んでいます。
徐々に従来型の折半出資型から事業売却型なども増えていますが、ハイテク王国ニッポン復活を目指し、より強いリーダーシップが期待されるところでありましょう。

ところで、ほんとにどうでもいいことなのですが・・・


核心



執筆者の西岡さん、戦前派ですか?

「・・・不協和音を抑へワシントンの・・・」って、なんで旧仮名遣い?



画像:日経記事