今日の愛ルケ(#67) | にっけいしんぶん新聞

今日の愛ルケ(#67)

この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ネタバレを嫌う方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。

再会 十七

女のほうから積極的に動き出すことほど、男にとって嬉しいことはない。
いま、二人の股間は寸分の隙もないほど密着し、上体も首に回された冬香の両手に引き込まれたまま、ぴたと触れ合っている。ここまできたら、もう言葉は要らない。密着した体が言葉をこえて愛を訴えている。
菊治はふと冬香の表情を見たくなった。男の高ぶりは視ることでまた高じるものだ。菊治は首に絡んだ手を振りほどきながら体を起こす。今までと違う刺激に見舞われた冬香が「あっ」と叫ぶと、菊治は一段と腰の動きを強め、冬香の喘ぎも早くなる。
淡い闇の中に見える冬香は、軽く頤を上に上げた白い小さな顔の上に、髪が総毛立つように広がって、無数の黒髪に引きつられているようである。
そして甘さのある切なげに閉じられた目、どこか物欲しげに軽く開いた口。顔全体はかすかに左右に揺れている。
「ふゆか・・・」
思わず呼びかける菊治。いままでの女性の中で、これほどぴたと密着し、これほど従順で、みだらな女は初めてである。
「好きだよ」、といいかけて、菊治は慌てて動きをとめる。
このままではこちらがもたない。
まさに、乾いた砂漠に水が吸い込まれるように、冬香の体は自然のうちに男の精を呑み込んでいくようである。


#「互いに触れ合い密着した体そのものが、すべての言葉をこえて、たしかに愛を訴えている。(原文)」

そうですね。気持ちよさ以上のセックスの価値とは、たしかに言葉を超えるつながりを感じられる点にあるのでしょう。
この2人に言葉のつながりは一切ありませんでしたが。

しかしそんなことはいまさら言うまでもありません。
とにかく菊治は自ら動き始めた冬香に対してさらなる攻撃を加えなければなりません。

さあ、次なる一手は・・・
と、思いきや菊治、自らの興味に負けて冬香の顔を見る態勢に移動です。そんな余裕はないはずですが、また調子に乗っているのでしょうか。
首を絡め取っている冬香の手を振りほどき、上体を起こすと、おっと、これは瓢箪から駒、あるいは棚からぼたもち、いやどちらも微妙に違いますがここでラッキーパンチが入りました。
思わぬ刺激に冬香は悶絶、菊治はここぞとばかり追い込みに入ります。

かなり淫らに乱れた冬香、グラウンドでの菊治の打撃にKO寸前に見えましたが、しかしそこはさすがにフィジカルで上回ります。しっかりとらえてぴたと密着する秘所をもって菊治の連打を阻止しました。

さあ、「乾いた砂漠のように男の精を呑み込む」冬香はいよいよ本領発揮、再び試合を自らのペースに持ち込んだようです。
逆に動きのとまった菊治、ここからどうするのでしょうか!?
もう、目が離せません。