高校教育改革 | 二重まる学習塾のブログ

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総合型選抜やAO入試といっただ学の推薦入試に関することや、福井県の高校受験・中学受験に関する情報を発信します。

 

西日本新聞より

 「福岡県立高の一般入試は、合格したら入学辞退ができないらしい」。入試シーズンが近づくと、毎年のように受験生や保護者の間でこうささやかれている。西日本新聞「あなたの特命取材班」にも「(中学の)先生から言われた」との投稿が寄せられた。インターネット上でも度々、議論の的になっているようだ。本当はどうなのか-。 

 福岡県立高の入学者選抜要項には「合格したら必ず入学しなければいけない」との記載はない。  県教育委員会の高校教育課によると、様式は定められていないものの、中学校を経由し、校長名で入学辞退届を高校に提出する必要がある。そのような手続きを経て、合格しても入学辞退はできるという。冒頭に紹介した「入学辞退できない説」は、正確ではないようだ。  

 県立高校は私立と違い、定員以上の合格者を出さない。各高校とも補欠合格者名簿をあらかじめ作成し、辞退者が出れば該当者に連絡する。合格発表日の午後、合格した生徒や保護者向けの説明会が各高校で開かれるため、辞退者は補欠合格者が出席できるよう午前中に届け出るのを原則とする。 

 あな特への投稿者は「辞退すれば中学校から高校へ謝罪しなければならないと聞いた」という。入学辞退について「記念受験や腕試しはどうかと思うが、(私立との選択を)悩んでいるなら、悪いことではないはずだ」と訴える。 机の間隔を空けて入学試験に臨む受験生たち(本文とは関係ありません)  入試要項の基本方針を確認してみた。「中学校教育と高校教育の相互の関係を十分尊重し…」との記載があった。出願に関しても「中学校長から提出された志願書類を精査確認して受け付ける」とある。  出願そのものは個人の自由意思だが、三者面談などを経て中学校の先生と一緒に考え、生徒は自分の進路を固めていく。辞退者がなるべく出ないようにするのは中学校の使命でもある。  そのため、辞退者が出た場合、高校に迷惑を掛けると感じる中学校は少なくないようだ。高校教育課は「中学側がどう判断しているか分からないが、高校が謝罪を求めることはない。たとえ辞退者が出ても、その後の入試で出身中学校が不利になることもない」と強調する。  その上で「辞退者が出ないのが本来はベストです」と同課は説明した。  12月は三者面談の時期という。進路に迷っているなら、まずは中学校の先生とよくよく相談することが大切だろう。

 

 

こういったことは高校入試のみならず、中学入試や大学入試でも見受けられます。中学入試の例で言えば、附属中学合格者が高志中学を受験するかといった問題。附属中学の入試要項を見れば、入学の強制にまでは言及していないものの、あくまで入学を前提としている生徒にのみ受験をしてもらいたいという意図が読み取れます。しかしながら、昨年は当塾でも附属中学合格者がその入学の権利を捨て高志中に受験したという例があります。

 

大学入試に際しても同様のことが見られ、問題なのは大学の対応ではなくむしろ高校の対応です。推薦入試で合格したのに入学しないことに対して厳しい態度をとる高校は依然としてみられ、そもそも推薦入試を受験させない、推薦入試で受験する大学を1つとする、などといった法に抵触した指導をしているところも多いのが現状です。大学の推薦入試には入学を義務付けない併願のところも多いのですが、高校側の考えは「いくら併願であっても入学を辞退すれば後の生徒に迷惑がかかる」というものですが、そもそも出身校によって合否に優劣をつけるようなことがあっては、それこそ大問題であり、そんなリスクを冒してまで入試で差をつける大学があるとは思えません。

 

 

 

なぜこのような考えに縛られているのか、それは中学も高校も依然として独特で閉鎖的な環境にあるからでしょう。近年は高校や学科の再編、新設の動きがみられ、少子化やニーズの変化に合わせた動きも見受けられます。しかしそうした改革はあくまで世の状況の後追いとなっており、改革の中身も外部の意見を取り入れながら行われているケースがごくわずかです。企業も外部役員の割合を増やすことの重要性が認識されつつあると言われておりますが、真の意味で高校教育改革を行いそして成果を出すには、外部の意見を取り入れるような取り組み、すなわち内側からの変革も必要なのではないでしょうか。