霊鳴島へ行くには 年に1度だけ 荒れた海が静かになり


潮が引いて島まで通じる道が浮かび上がる


その日だけならば 何にも邪魔される事なく


無事に渡る事ができる



その日が 後数日で くると言うのである


その日までに 先ずは その海岸まで 行かなければならない



半造邸から 海岸まで 数日でつくので ちょうどうまい具合に


島へ 皆が無傷で渡れるのである



皆がその事を伝えられると 1日では あったがゆっくり休めた事で


兵達の士気も回復し 必ずや王女と渡るのだと 固く心に決めて


良い顔になって 半造邸を 後にした



ただ ウムン軍が あのまま黙っているとは 思えない


四方に 兵を分けて どこから 襲われても良いように


陣形を整えていた もちろん しんがりは 清四郎と源十郎がつとめた



半造 川造 竹造は もっと先を見回りながら


アリスの馬車を護衛していた



半造邸の 様々な仕掛けがされている所を抜けると


みながより 緊張感を持ちながら 進みはじめた



すると


「大変です! ウムン軍約3万が 北側におりまする!」


「うーむ どうしたものか」


修秀は 思案をしていると


「我等に お任せくだされ!」


清四郎と源十郎が進み出て


「今 ならば 敵は まだ こちらに気付いておりませぬ


この気に乗じて 一気に蹴散らしてまいりましょう


500騎もお貸しいただければ すぐです」


「分かった そなた達に 我等の命運がかかっておる 頼んだぞ」


「ハ!」


そう言うと しんがりを勤めていた兵達が こぞって瞬時に消えた