BECK 鑑賞 3歳児の嘘くらいバレバレ | ハクナマタタ

BECK 鑑賞 3歳児の嘘くらいバレバレ

バレます


といっても、

この手の映画はバレようがバレまいが

さほどストーリーに謎もないし、

原作アリなので問題なし!


問題は先入観だけ


なので、まっさらな気持ちでみたい人はお避けください


映画もバラすし、原作とも比較する




まず、キャスト

竜介→水嶋ヒロ

コユキ→佐藤健

千葉→桐谷健太

平くん→向井理

サク→中村蒼

真帆→忽那汐里



この辺が主要キャスト


以前に書いたとおり、

キャストがばっちりハマってます


関連記事→「BECK


このときは、役に扮した姿は見たけれど

まだ動いて話しているのをみていなかった


平くん→向井理だけイメージが違ったと書いたが訂正

ビジュアルはともかく、話して動くと平くんです


頼りになって冷静で熱い男

映画の尺により、竜介を抑えられて一目おかれている存在感は

もう少し詳しく描けたらよかったなという面もアリ


それはサクもなんだけど、

サクのほうが映画独特のサクになってましたね

悪くない

可愛らしいサクになっていた

わたしがサク絡みで三大かっこいいと思っているエピソードのうち、

ひとつが前半に入っており、

(コユキをいじめっ子から助けてなんでもないねーって感じで音楽の話をする)

足りないと思う反面、この尺ならギリか…と納得できる



千葉くんはビジュアルがビタリ

しゃべってもビタリ

飛んでもビタリ

ただ、後半、

みんなと同じ夢をみていないことで、

俺だけBECKに必要ない人間なんじゃないかと悩むところ

ここも、背景描写が足りてない気がする

千葉は一番繊細なところがあって、

みかけからは思いえない繊細さはどこからくるのか、という点

彼の家族のことや生い立ち

やはりそこは描ききれないから、

彼がグレイトフルサウンドの出番直前に竜介と仲たがいしてワーって駆け出すことが、

なんだヤケになって

しょうがない子だな…と思われないか心配になったよ

BECKへの思い入れを十分に描いて、

それでも駆け出してしまう千葉くん


ここはストーリーを知ってると、どうしても脳内補完してしまう

ストーリーや、各人の性質を事前に知らない人にも伝わっただろうか


全員が、紆余曲折、月日をかけて

BECKに思いをこめてゆく

ここが伝わらないと、

なんだすぐワーってなって

彼氏と喧嘩して思わず口から勢いにまかせて「キライっもう別れるっ」って言っちゃうような乙女かっ

そんなんじゃないんだよーんて

少し心配しましたが


伝わってたなら杞憂です


どうしても、グレイトフルサウンドまでとはいえ、

2時間ばかしの尺にいれると駆け足にはなる


自分はいったい脳内で補完しちゃってるのか伝わってきてるのか

もっとここも描いてほしいってところが

正直、あった




水嶋ヒロ

原作から抜け出てきたようです

まさしく竜介

ビジュアル、振る舞い、声、表情

そして、ここ結構重要、竜介は帰国子女

水嶋ヒロも小学生の間はスイスにいたということで

英語にまったく違和感がないです

それは妹の真帆役、忽那汐里も同じ

彼女はオーストラリアでしたっけかね


とにかく竜介=水嶋ヒロの圧倒的な存在感

こいつはすごい


爆発力も

そして華もある


しかし、竜介の背景にも同じく心配な点がある

ルシール(ギター)をめぐるレオンとの因縁はわかっただろうか?

(レオンもはまってましたな)

そして、エディとの繋がり、関わりは?

BECKという犬の存在意義は?

蘭との確執は?

原作じゃ散々、蘭に邪魔されますからね

しかし、理由もあるし、

また、金と地位に走ったチャラいプロデューサーというだけでなく、

捨てきれない音楽への想いもある

ジェラシーにも似た想い

そこを凌駕して音楽が人を変える力があることをBECKはみせつける

その辺は薄いですね


BECKという物語は、5人が

誰も代わりのきかない5人が集まり、

とんでもないケミストリーを起こす物語


で、そしてあえて、コユキの物語と思うんですよ


主軸の深いところ

ケミストリーを起こすきっかけ

竜介がアルミならコユキは水なのだ

砂漠での水よ

日本でいうなら四国での水

北海道での水じゃないのよ


その点で、後述するけれど、映画のコユキは弱い


この映画は水嶋ヒロの映画となっていると思う




さて、コユキです


このBECKを映像化するにあたって最大の難点

それはコユキの世界中を巻き込む「声」です


以前の記事より抜粋

>コユキ(佐藤健)がBECKに加入するシーン
ハクナマタタ

>この時点でズブの素人であるコユキの「声」にメンバーは衝撃を受ける

>しょっぱなからこれ

>高いハードルだと思いませんか

>素人であろうと玄人であろうと

>コユキの「声」と「歌」に巻き込まれてゆく


>原作はそういうお話


>もう1人の天性を持った者、竜介くんのギターは本人が演奏しなくても何とかなるでしょうが

>歌はそんなわけにいかない

>音が聴こえてしまうがゆえに

>説得力をなくすときがあるので、

>「天才」をえがく音楽ものは難しい



この点をどうクリアするのだろう…


そう思って観にいきました


ハイ、バレますよ


コユキは1回も歌わなかったんです


みんなが、

(最初は真帆が、そしてメンバー、続いて聴衆、更に世界的カリスマバンドのエディやマット)

衝撃を受ける声


みんなを巻き込むコユキの歌のシーンは、

声を出さず歌ってる風景とイメージ映像で乗り切りました



これは…

正直、これしかないかも…と思ったんです

なるほど…と


がっかりとか、ここがこうだったらとか、残念

そんな感想ではない


これしかないだろう…


そんな感じ


これ以外に、どんな表現方法がよかった?と聞かれれば思いつかないし、

実際歌わせたら説得力を失なっていたかもしれない



これは、配役の佐藤健がダメって話じゃない

この役自体が、難しい役なのです


佐藤君はコユキのビジュアルとしてはハマっている

弱そうで実は芯が強いところも

ハマってると思う

ちょっと暗めかな

原作のコユキは、というか、作者のハロルドさんの作風だと思うんだけど、

いじめにあっててもどっか超越してるとこがあって、

我関せずっぽい明るさがあるんだよね


そこでサクと出会い、

斉藤さん(ギターと水泳の師匠)と出会い、

(ここも少し足りない。水泳を頑張ることはギターと同じくコユキの学枚での位置を確立させるものだし、自信にもなってる。時間の関係で省かれるのはやむなしか…しかし、少し浅くなってしまうんだよな)

高校もやめて自分の道にすすんでく

最初は真帆に振り回されていたコユキ

でも、やがてコユキの強さに惹かれていったり、

振り回していたようにみえた真帆にも弱い部分があって、そこをコユキにみせてゆく

なんだかんだで、自分のいく道はしっかりみつめているコユキに真帆が動かされる

コユキは静かに強い


芯の強い部分は佐藤くんのもともとのハマり感や演技でしっかり伝わってました



しかし、声


コユキの最大の武器である声

ここにメンバーはインスピレーションを感じ、

周りをどんどんまきこんでくあの声が

1度も耳に届くことはなかった


なのでコユキの存在感が薄いのです


そこがコユキではなく、竜介=水嶋ヒロの映画になってる所以です



実際、歌ってみたらどうだっただろう


これは誰が演ったって難しい

玉砕していたかもしれない


この映画での、歌わせない手法は

うまくそのシーンを乗り切った

勝負に負けはしなかった


でも勝ってもいない


土俵にあがらなかった


そんな表現法だ



でも、先ほど言ったとおり、

これ以外の最善の手は思いつかない


これしかなかっただろう


これが感想



複雑な気持ちではあるが、納得できる



ただのイケメン映画ではなかったよ

駆け足ではあるがBECKのソウルを描こうと、

感じられました

だからコユキの歌のシーンを歌わせなかったのかもしれないね




小ネタで好きだったところ

最初の千葉くんのDisりあいのとき、

対戦相手が公開処刑だしてきた!

キングギドラ(^∇^)

ニヤっとしました



わたしは主演の方々のファンというのでなく、

原作のファンとしてこの映画を観た


いろいろ書いたけれど、けっして出来の悪い映画ではない


自分はストーリーを補完してしまっているところもある


原作を読んでいなくてこの映画を観たとき、

BECKのソウルは伝わりましたか


それが聞いてみたい



自分は、楽しく、そして複雑な気特ちでした




※ 追記

この作品に出した結論をこちらに書いております

BECKについて 」←リンクあり