寄席には何度も行きましたが、
寄席でこんなに涙を流したことはありません。
新宿末広亭で、落語家の桂春蝶さん(40)の
「明日ある君へ~知覧特攻物語」という落語を
聞きました。彼は鹿児島県知覧特攻平和会館を訪れ、
この創作落語を思いついたということです。
「俺が死んだら何人泣くべ」
これは昭和20年4月3日 出撃の
前田啓大尉 23歳の遺書の最後の言葉。
他にも、特攻隊の遺書が読み上げられました。
春蝶さんも途中声を詰まらせましたが
演技とごまかしましたが彼は本当に
言葉に詰まったのでしょう。
噺の中では、隊員に「これ以上犠牲を出さぬため、
われわれが全員死ぬ以外、日本が救われる方法はない。
それがおれたち隊員が考える
『守るべきものを守る』ということ」と語ります。
今を生きる我々は未来を信じた彼らに
託されたのだ、と。