「パブリック・エネミー」
まるで造花のようだった、表情のひとつさえない、
愛した人は手のなかで、凍る色で永久の眠りに、
足元の砂をつかんだ、手のひらにできた砂漠は、
潤いもなく崩れてく、下卑た笑いに視線を送る、
奴隷商は笑ってた、
弱きはさらなる弱きを見つけ、
晒し出してひたすら叩く、それが此処の在り方らしい、
神々は黄昏る、人は愚かに人を売り買い、
卑しい力で跋扈する、
血を吐き出したユーキリス、
俯いて嗚咽を殺す、握りしめた手のひらに、
閉じた瞼に浮かぶ者々、それを地獄へ導く術を握りこむ、
逆襲のユーキリス、
踏みつける、孤独が凍る痛みに変わる、
名を変え、背中に終わりを背負い、
薄暗い地下から地下へ、
奴隷商へと変わるたび、
悪辣へと下卑た笑いを浮かべては、
死を売るものへと身を落とす、
失くしたものをいくつ数えた?
首筋には幾多のキズが、
目を閉じ恋人描いては、
そこにいるのは笑顔だけ、
ユーキリスは踏み出した、
足跡には傷痕が、
そして二度とは振り返らない、
彼はもう血も流れない、
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<you can REDO.>
⇒荒天のクライフ
⇒シューレス・ジョー
⇒フリックスター
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた
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