「星の手配師」
利き手の逆に星の形のタトゥーを刻んでる、
星の手配師、ジョーはいつも空を睨んで、
昼間に光るは高く売れると知っているから、
まばたき忘れてビルの屋上、空を睨んでいるだけの、
彼は星を売る男
ドライフラワー、赤いバラ、
手を触れたら落ちて砕けた、
テーブル上のくるくる廻るガラスの地球儀、
紛いの水晶、占い師の店寄って、
流れる星の行方を探す、
ヒトにはまだまだ見つけられない、
望遠鏡では捉えられない、
光る惑星、合図を待って、ジョーは屋上、大の字寝そべる、
タバコくわえて星を数える、売れない星に煙を吐いた、
今日はツイてないってこぼす、
冷たいピザをアスファルトに箱を広げて、
空腹ごまかし啜る瓶、
物欲しげに覗くカラスに半分あげて、
恋人みたいに語りかけてた、
星の形のタトゥーさすって、汚れたジャケット脱ぎ捨てて、
吸い殻だらけの屋上、口笛、
昼間に光るは高く売れると知っているから、
まばたき忘れてビルの8階、空を見つめた、
彼は星を探してる、
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた
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