空からGT400とザジを狙うアンドロイドは背中に羽根を持ち、縦に球を並べたその形状はハチを思わせるものでした。
ハチ型アンドロイドは照準を合わせ、そのお尻についた鋭いトゲに光が集まり、光線を撃つ体勢を整えています。
「熱源?!」
センサーが危険信号を発して、GT400は周囲を見回しました。
「ザジ、逃げて!!」
「えっ?!」
急な呼びかけにザジは戸惑いました、完全に修理されていない彼は素早く動くこともできません。
間に合わない、GT400は視界の入った謎のアンドロイドに攻撃の意思があると気づいています、なぜそれが分かるのか、彼は自分にも分かりませんでした、ですが、あらかじめプログラムされた防御/迎撃のシステムが発動していたのです。
ハチ型アンドロイドはその溜めたエネルギーを光線にして、ふたりに放ってきました。
大気が歪むような耳障りな音とともに、黄色い光が一直線にふたりに向けて放たれました。
GT400は伸縮可能なその左の手を限界まで伸ばし、手の平から赤い円をいくつも発射しました。
彼はその意思で行動しているわけではありません、反射的にそんな動作をしているのです。
赤い球は大きく拡がり、GT400とザジを包み込み、そしてハチ型アンドロイドが撃ってきた光線を弾き返しました。
攻撃を交わしたGT400はそのまま上空の敵に正対しました。
眠っていた力が解放され、なにをしようとしているのか自分でも理解できないまま、GT400は迎撃態勢に入ったのでした。
<つづく>
illustration and story by Billy.
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