聡明で正義感ある若者の自死  アーロン・スワーツの死 その2 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

去年の4月、「アーロン・スワーツの死」というタイトルで記事(1)を書いた…

 

アーロン・スワーツ氏は、「ネット情報の検閲や使用制限に反対する活動家」であった。


「知識を共有するのは罪じゃない。企業に独占させるな。」
という彼の考えに賛同した内容の記事だった。

 

その時は、あえて彼の「うつ病」の事には全く触れなかったのだが、

先月のBest10で理由は不明なのだが、去年の春の記事なのに9位にランクインした…  

 

精神医療サバイバーのブログなのに何故だろう・・・???

 

天才プログラマー、アーロン・スワーツ氏の自死の経緯に関しては、BPA News というサイト(2)で詳しく知ることができます。


「自死の経緯」を簡単に説明すると…

 

アーロン・スワーツ氏は、自身のブログで、うつ病の症状が長年あると言及していた。

 ↓ 

20117月にマサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューターを使用する非営利団体JSTORJournal Storage)から大量の記事や論文を盗んだなどとして逮捕・起訴された。

 ↓ 

彼の主張

「借りる権利がある図書館から、本や論文をあまりにたくさん借りすぎて、告訴されたようなものだ」

 ↓ 

それに対し、連邦検察官

「バールを使おうがパソコンを使おうが、文書を盗もうが金を盗もうが、盗みは盗みだ」

「盗んだものを売ろうがタダでひとにやろうが、被害者にとっては同じことだ」と言った。

 ↓ 

アーロン氏は「私は病気だ。かつてなく長いクリスマス休暇を取ろうと思う。」などと、自殺を示唆する言動がみられた。

 ↓ 

2013111日。アーロン・スワーツ氏は、ニューヨーク市内の自宅で首を吊って死去した。

 ↓ 

JSTORは、アーロンが自殺する数日前に、アーロンの主張どおりほとんどの文献の無料公開を発表していた。

 ↓

アーロンの遺族は「アーロンの人生は聡明で、社会正義の実現に深く関わろうとしてきた一生だった。その死は、単なる個人の悲劇ではなく、曲げられた正義によってもたらされたものだ」とする声明を出した。

 

( 引用 : BPA News

 

 

彼の発言は傾聴に値する。

 

情報とは権力であり、他の形態の権力と同様に、これを独占したいと望む人々がいる。だからこそ、常に市民にとって価値のある情報への自由で容易なアクセスを実現し、具体的な行動を促さなくてはならない。」

 

「研究者が同僚の学術論文を読むのに多額の料金を払うのはおかしくないか?

 

「先進国の名門大学が科学論文を独占して、途上国の子供たちから隠しているのはおかしくないか?」

 

知識を共有するのは罪じゃない。企業に独占させるな。」

 

MIT「情報へのオープン・アクセス」を売り物にしていた大学、この事件はダウンロードの量が多すぎただけで、MITの規則を破ったわけではなかった

 

この事件は、「図書館から本を借りた」のとは違い、誰も被害を被ってはいない。

私も図書館で本を借りて、返却期限を忘れてしまい、度々「返却督促」の連絡をいただく。

この場合は「次に読みたい人」の権利を私が邪魔をしている訳だから、「罪」と言われればそうかもしれない。

 

JSTORMITから「ライセンス料」をもらっているので、JSTORは「直接的」な被害はない。


JSTOR
は大学や研究所などの学術雑誌を電子化し、有料で全国・全世界に頒布・配信している団体である。

それをMITが購入して、大学校内で自由に閲覧できるようにしている。( 引用 : BPA News

 

アップロードされた「論文」は、ダウンロードしでも、元の文献は消えてはいない。

それを読みたい人がJSTORにアクセスすれば、変わらずに、それを読むことができる

 

ダウンロードした文献を返却することで、JSTORとの和解が成立したそうだ… 

MITも連邦検察官も、これ以上告訴を続ける理由は消え去っていた… ( 引用 : BPA News

 

これは、ダウンロードした文献の「削除(消去)」を意味するのだろうか・・・?

 

 

ところで、アーロン氏自身は「うつ病」を患っていたとのことである。

 

一般的に、「うつ状態」を感じた時

「ブルーな気分だ…」とか「疲れて何もする気にならない…」と言ったりするが、

 

「うつ病になった」とは言わないだろう。

 

つまり「専門医」が「病名」を付けたと推測するほうが自然である。

 

アメリカでは皮肉交じりに「成功するには、三人の専門家が必要だ…」と言われるそうだ。

 

三人とは「弁護士」「会計士」そして「精神科医」

 

アーロン氏が精神科を受診し、抗うつ剤としてSSRI」を飲んでいたとしても不思議ではない。

 

SSRI」の副作用には、私も経験した「希死念慮」がある。

 

「悪魔の囁き」という表現で記事にした記憶があるが、抑えきれない「突発的」な衝動である…

 

連邦検察に「逮捕・起訴」されたからといっても、

アーロン氏が優秀な「弁護士」を雇って法廷で闘えば訴えを退けることは十分可能だったと思う。

 

「確信犯として行動を起こした」のがMITの事件だった。(引用 : BPA News

 

もし負けたとしても「終身刑」になるような「重罪」では決してない。

むしろ「法廷論争」に持ち込むことは彼にとっては「想定内」ではなかったのか…

 

向精神薬はアーロン氏のような「聡明で正義感」ある若者の命さえ奪う。

 

日本においても「聡明な若者の命」が危険に晒されているのだ・・・

 

 nico


(1)  アーロン・スワーツの死・・・

http://ameblo.jp/nicolas2012/entry-11517839873.html

(2)すべてを公開せよ!RSSを生み出した天才ネット活動家の最期 BPA News

http://bpa-japan.org/blog/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%84/