それは、本能を、刺激する | 自分に勝ちに行く!!

自分に勝ちに行く!!

聞くことは、人を豊かにする。話すことは、人を機敏にする。書くことは、人を確かにする。自分の心の内側を、書くことで確認して行こうと思います。つれづれなるままに、テーマもなく...?.。心の引き出しを増やそうと思います。

自分に勝ちに行く!!
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前にも書いたと思うが、わたしが子供の頃、母が貸本屋をしていた。

少ない稼ぎの父を助けて、やりたがりの母は、何かしたかったんだろう。

だから、わたしが物心ついたときは、コンクリの土間には、天井までの本棚が並んでいて、ずらりと漫画本だらけだった。

ちょうど少女フレンドとか、マーガレットなる週間マンガも登場してまもなくだったので、恋とか愛とかそんなものが存在することを知ったのも、早かった。それに、嫉妬する。と、いう感情があるのを知ったのも、少女マンガからだ。少女漫画は、嫉妬だけでストーリーが出来ていた。

うちには鉄腕アトムの月刊誌、初版本35~6冊くらいが、蕨の実家に10数年ほど前まで置いてあったはずだ。

母が、いっとき身体を壊したとき、母は、そこらの身辺整理を始めて、3階の子供部屋にあったもろもろを全部廃品回収に出したようだった。

マンガ本を持って行ったお兄ちゃんにね。これ、きっと高く売れるよ。と、言って、渡したのよ。と、話していた。

その頃見た漫画と言えば、手塚治虫、横山光輝、石ノ森章太郎、古賀新一、つのだじろう、白土三平、梅図かずお、こんな感じか。

その後になると、永井豪とか、ジョージ秋山とか、ちばてつやとか。この辺は週間マンガが出てからなのだろうか。

少女マンガでは、水野英子、わたなべまさこ、細川智栄子、里中満智子etc、、、。

まちがいなく、わたしのルーツになっているものが、この辺りになる。
ひらがなも、漢字も、お絵描きも、世の中の陰と陽も、すべて、漫画から学んだ。

子供は、本能的に、コワいものや、エロいものや、残酷なものに反応する。それは、誰に教えられるのではなく、それらの絵を見て、引き寄せられるのである。

子供時代のそういう無邪気だったところを、普通なら、忘れてしまうのかもしれないが、わたしは、その、後ろめたさをしっかりと、覚えている。
子供心に、見てはいけない(らしい)ものを見ていることを、感じていた。

先日買いそろえた白土三平の忍者武芸帖、読み返して、めっちゃ面白かった。

この大人なテーマに、子供だったわたしが、どこまで理解していたのか、不明だ。もちろん、ストーリーは、覚えていなかった。こーんな話だったのかー。

しかし、わたしは、7巻を読んで、はっとしたのだった。

なぜなら、その表紙を開けた瞬間に飛び込んできた、ブチヌキ枠で描かれた構図をはっきり覚えていたからだ。

林崎甚助の恋人が、彼の先回りをして峠を越えようとした時に、みなしごの少年たちの盗賊に、身ぐるみはがされ、殺されてしまう。

その殺されてしまう場面は6巻の終わりなのだが、7巻の巻頭ページにその娘の屍が、草むらに投げ捨てられているシーンから始まる。

そこを、林崎は、何も知らずに通り過ぎて行く。

そのもの言わぬ静かな情景描写のシーンが、エロティックで、ものすごく好きだった。( 読んでいたと思われるのは、幼稚園~小学校1~2年生だ!! わたしがびっくり。)

それを思い出したのだった。

白土三平の漫画は、今なら、悪書になってしまうのではないかと思うほど、読み返してみると、残酷なシーンがてんこもりなのである。

先日行ってきた吉祥寺の祭りの別イベントで、イズミヤさんが募った漫画家達のパネルや所蔵品と一緒に、イズミヤさんのお宝本も並べられていて、一部を、好きなように手に取って見ることが出来た。

外は暑いが、会場内は図書館のように涼しい。

会場を歩き回り、置いてある本を片っ端からぱらぱらした。(マーキングか??)

ふとそこに、白土三平の「赤目」という漫画があった。

ふむふむ?と立ち読みしていたら、のっぴきならなくなり、椅子に座って真剣に物語の中に、没頭した。

白土三平、恐るべし。

暴君の領主に、愛する妻を、ひどい形で殺された百姓の、長い年月をかけた復讐劇だった。内容は、暗くて、重い。

その中には、あらゆる非道な暴力が描写されていて、圧倒的な身分の差に、百姓達は、虫けらのように、あるいはそれ以下の扱いで、殺されて行く。(あまりにスゴすぎて、細かい内容は、書けましぇん。)

http://www.mangazukan.com/2006/01/post_0019.html


今じゃ、発禁本の域の漫画本。でも、このインパクトは、子供の時に見たとしたら、やっぱり、後ろめたさを感じながら、何度も、ページを開くと思う。

それは、本能を、刺激する。(もしかして、わたしは、オトコ脳、なのか??)

1978年初版となっていて、その本は1992年頃の7版目のものだった。調べてみると、本当の初版は1961年だった。と、いうことは、イズミヤさんも、子供の頃に見て、忘れられずに、買い直したものなのかもしれない。(マニアックなチェックの入れ方。)

それを手に取って、読むことが出来たことは嬉しい。

おおっぴらに見せびらかす内容ではないが、こっそりと、大切にしたい本だということは、わかる。なんか、秘密を共有した感じ♡

今は、現実と混同する、あり得ない人がほんとにいるので、そういうファンタジーは、世の中には受け入れられなくなった。

子供は、全てを目隠しされても、世の中に陰と陽があることくらい、体感して行くのだと思う。

わたしが子供だった頃、後ろめたい気持ちで、気に入ったマンガの1ページをこっそり開いたものである。(マジで、ヘンタイだったのか??)

本当は、そういうページが、誰の中にも、あった方が、いいような気がする。

http://ameblo.jp/ni3tttym/entry-10589136451.html

http://ameblo.jp/ni3tttym/entry-10589138813.html

http://ameblo.jp/ni3tttym/entry-10589141704.html