モンスターマスクのメンテナンス方法 | 三つ子の魂百まで…トラウマニア

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海外ではハロウィンの仮装用にラテックスで

作られたマスクを被って街を練り歩くのが

伝統行事になっています。

マスク専門メーカーも老舗のドン・ポストから

ディストーションズ・アンリミテッド等、

パーティグッズの枠を超えたホラーファン向けの

ディープなモンスターや殺人鬼、そしてゾンビと

映画に登場したキャラの版権を取得し、

数量限定でリリースするケースがあるほど

人気のあるジャンルとして定着しています。

 

国内ですと、東急ハンズのパーティーグッズ

コーナーや漫画雑誌の広告で馴染み深い

オガワスタジオのマスクが有名かもしれません。

これら天然ゴムが原材料になっている

ラバーマスク。実物大フルサイズが魅力の

ひとつでもあるのですが、その性質上とても

デリケートな素材なのがネックであります…。

買ったわいいけど、ゴムが腐ってダメに

してしまった経験をお持ちのコレクターも

少なくないのでは?アメリカに比べ

湿度が高い日本の気候では保管方法が

非常に厄介なシロモノです。

今回25年ほど前からコレクションしてきた

マスクの定期メンテナンスを行ったので

適切な保存方法と共に修復法なども

合わせてご紹介したいと思います。

 

ラテックスマスクは紫外線(直射日光)・

蛍光灯の明かり・湿気・空気・オゾンに弱いです。

輪ゴムが劣化してすぐ切れてしまうのと

同じ現象だと思って下さい。

 

一番大切なのはゴムの乾燥を防ぐこと。

これにはシリコンスプレーを定期的に

内側から塗布する事である程度防げます。

カー用品として販売されているアーマオールが

最適。本来の用途はタイヤやダッシュボードなど

パーツを保護するものですが、マスクにも

同じような効果を与え長持ちさせてくれる必需品。直接スプレーするか布に吹きつけて万遍なく

塗ったら30分ほど放置し乾拭きすればOKです。

 

必ず内側に塗って下さい。

表に付いてしまうとシミの原因になるので注意!

 

 

 

吹きつけた後、液体が一点に

留まらない様に塗り広げて下さい。

通常1度で十分だと思いますが、

自分はより深くまで浸透させるため

塗布→乾拭きを2度繰り返しています。

 

アーマオールが浸透し艶が出ました。

 

湿気防止用にシッカロール(ベビーパウダー)を

塗ります。少し香料の匂いがしますが、

ロングセラー商品として信頼度の高い

和光堂のシッカロールを愛用しています。

赤ちゃんの汗疹防止や子供が床屋さんで

首回りに塗ってもらうアレです。

入り組んだ凹面にもキチンと塗り広げて下さい。

 

 

 

 

 

ベビーパウダーを塗ったら、

型崩れ防止のため新聞紙を詰めます。

マスク本来の形状を維持させるのが

一番大切な事で、グニャリと曲がったまま

置いておくと、負荷の掛かった部分が

裂けてきたりクラックが生じます。

新聞紙は硬いまま詰めない事。

良く揉み柔らかくしてから入れて下さい。

硬い部分があると内側から無理なテンションが

掛かり型崩れを起こします。

 

最近はプチプチ(緩衝材)を裁断して

詰めています。スーパーのビニール袋でも

代用可能ですが、やはり材質は

柔らかいものを選んでください。

 

シリコンスプレーは肌を保護するクリームの

ようなもの。メンテは半年に1度が最適。

空気に触れさせておくのも良くないので、

ドールケースやガラス製ショーケースに入れての保管が好ましいです。ガラスやアクリル製ケースは高価なので組み立て式のドールケースでも

十分マスクの寿命を伸ばしてくれます。

保管スペースがない場合は大き目の

ビニール袋を被せて空気を完全に遮断すれば

問題ありません。透明度の高いビニールなら

いつでも眺められますし。

 

 

『死霊のえじき』のバブ。

海外の造型師ジェフ・ホインケルが

13個のみ製作したカスタムメイド品。

自分が持ってるコレを作った後に原型が

壊れてしまったので、ラスイチだったようです…。

 

 

マスクの台座はスチロール製のマネキン頭部

なんかがしっくり来ると思いますけど、

マスクのデザインによっては合わないものも

あったりするので、一番手っ取り早いのは

ペットボトル代用です。

2リットルくらいが安定感があるのでオススメです。

湿気に弱いと言いながら、中身がカラだと倒れてしまうので重し用のためペットボトルに水を入れて飾っていますが、砂か何かの方が良いのかも…。

形状キープ用に内側へ詰めた新聞紙などを薄く

詰めていると容器の凸部が頭部にストレスを

与えダメージの原因になるのでこの辺も

十分注意したいところ。

 

ここからは経年劣化で裂けてしまったり、

ヒビ割れた箇所の修復法。

『13日の金曜日PART 7』のジェイソンですが、

原型にゴムを流し込んだ時に均一な厚みに

ならなかった薄い部分が裂けてしまいました。

 

これはかなり重症です。

これまでクラック程度なら瞬間接着剤で

くっ付けていたんですけど、アレは衝撃に弱く

傷口がすぐに広がってしまいます。

そこで耐久性がありラテックスなどの天然ゴムにも使えるセメダイン社の「弾性接着剤スーパーX」を試してみました。ヘラなどで少しずつ盛りつけて

いきます。5~10分で粘着性が強くなるとありますが、季節によっては早めにベト付いてくるので

様子を見ながら充填してみて下さい。

 

 

一通り塗り終わりました。

はみ出した部分はその都度、

綿棒で拭きとりながら作業を進めます。

綿棒はケチらないでどんどん消費して下さい。

半乾き状態の時に少し強めに擦ると

綺麗に剥がれてくれます。

 

2日も置けば完全に硬化。

弾力がありゴムと良く馴染みます。

こんな便利な接着剤があるとは

思いませんでした。(昔は無かったと思う)

ヒビ割れ箇所などは塗った後にしばらく

手で押えておくか割れた部分が

広がらない状態で乾燥させます。

 

どうしてもテカりが出てしまうので、

紙ヤスリで馴らしてやりました。

手持ちが500番しかなかったので

これで削りましたが、表面が曇れば十分。

塗るより削るほうが神経を使います。

急いで作業すると塗膜が剥がれて

修復前より悲惨な状態になり兼ねません。。

艶があっても気にならない場合は

無理にヤスらなくてもいいでしょう。

接着面に色が付いていないのが気になりますが、同系色を塗るのも今は気が進まないので

そのうちきっと・・・(笑)

兎に角、ダメージを放っておくのが

一番マズいので早めの処置を。

 

今回クラック等が見つかり

世話を焼かされた子たちww

一番古いマスクで34年前の物がありますが

ケースに入れてメンテナンスをしっかり

行ってきた物はゴムの弾力性もしっかり

残っているので、今後もお肌のケアを

怠らない様に心がけます(汗)