洪水の二次被害を救ったEM団子 | nezumiippiki

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アジア再発見Blog

昨年9月から12月までの長期に渡るタイの洪水規模は、100年に一度と言われるほどの広い範囲に渡り、水没面積は北海道の面積を超えていたようだ。実際、筆者も上空から洪水を見たのだが、バンコクは正に孤島と化し、遥か彼方まで一面が水没していており水面から出ているのは点と線、そして建物の上の部分のみ。

 


 
 
この洪水によりタイ進出日本企業は大被害を受け、世界経済にも影響を与えていた。日本からのツアーは軒並みキャンセルになり、旅行会社も航空会社も打つ手なしの状態だった。事情の解るリピーター客は変わらずタイに訪れ、以外にチェンマイやパタヤなど洪水の影響を受けていないエリアには大勢の日本人客はきていた。
 
12月後半で洪水は治まっていたのだが、ツアー客は相変わらず戻らず、洪水のなかったプーケットなども、それも随分先の予約に対してもキャンセルが出たりしていた。この人達は何が心配でそこまで慎重になったのだろうか。4月のハネムーナーが南部のビーチリゾートの予約をキャンセルしたというので、その理由を尋ねると周囲の人達が洪水後の疫病の蔓延を心配して、そのカップルのタイへのハネムーンを止めさせたとか。

常識で考えれば、これほどの洪水被害を受ければ当然、悪臭や汚水、疫病の蔓延などを恐れる。例えこれが日本で起きたとしてもこれらの恐怖は起きるだろう。まして、黴菌が元気に生きる気温のタイのことだ。しかし、日本の方々が心配した衛生問題や感染症、疫病は発生せず、汚染水の被害も無く、蚊の大発生も悪臭の被害も話題として上がることはなかった。

一体これは如何したことのだろうか?

実は、水質浄化、汚染防止に役立ったのが日本の技術、EM団子なのだ。 

タイの人々がEM団子・泥饅頭を水に投げ入れているニュースを見て、多くの日本人は懐疑的に見ていたか、不思議に思うような反応がほとんどではなかっただろうか。しかし、まさかそのEM団子が日本発の自然に優しい最先端技術だったとは、多くの日本人は知らなかった。もし、日本人の多くがEMを知っていたら、タイへの旅行キャンセルはもっと少なかっただろうと思し、自分たちで決めたハネムーン先を変えることもなかっただろう。 

TVの洪水ニュースを見ていた人は、タイの人々が泥饅頭を作っているシーンや水中に投げ込んでいるシーンを覚えていないだろうか。あれがEM団子。

 
EM団子制作中
 
 
発酵して菌が生えてきている状態

EM団子を投げ入れています
 
EMとはEffective Microorganisms 有用微生物の頭文字。これは人間や自然界に対し有用な作用はあるが有害な作用は一切無し、という代物。
乳酸菌・酵母・光合成細菌など食用にも使われる安全な菌が主成分。EM液、米ぬか、もみ殻、土をテニスボール大の団子状に固め表面に菌が広がるまで日陰で乾燥させる。こうして作った団子を汚水に投入することで公衆衛生を改善させる。 *バンコク経済新聞1114日記事

化学に弱い筆者が理解するのは、善玉菌は悪玉菌を食べ善玉菌に変える、ということだろうか。塩素や化学肥料その他化学薬品のような副作用は全く無し。水は浄化され土壌は活力を持つ。そして何と言ってもEM団子は安価そのもの、まさに天の恵み。当然それは化学薬品工業の大敵。日本発の技術であっても日本で広がらなかったわけがそこにある。

方やタイ、EM技術が発表されて間もなく1986年ロイヤルプロジェクトで採用され、以後、国家プロジェクトとしてタイは農業全般や土壌改良、環境分野から医療分野まであらゆる場面でEM技術を活用している。2004年のスマトラ沖地震に寄る津波被害の際にもこのEM技術は活躍し、疫病の発生を抑えその実力を改めて証明し、そして今回の洪水では当然のごとく出番が回ってきたわけだ。今回の洪水によりEMによる危機管理マニュアルが出来あがっているとか。

  
 
EM団子の作り方&使い方の説明パンフレットが広く行き渡っている


EM団子について詳しくはこちら   

http://emrojapan.com/emnews/content/440.html

 

http://www.emro.co.jp/