海べのあさ
海べのあさ
作・絵  ロバート マックロスキー
 訳   石井桃子    岩波書店


マックロスキーといえば

『サリーのこけももつみ』(記事は→こちら )。


あの愛らしいサリーが

少しばかり成長して

小さな妹もいる続編。


ある朝、サリーは

自分の歯がぐらぐらしているのに気づく。

それは驚き戸惑う、初めての出来事。


誰でもそうして

歯が生え変わるものなのだと

お母さんに教えてもらい

安心するサリー。


歯が抜けたら枕の下へ。

そして願い事をすると叶うという。

けれどその願い事は、秘密にしておくらしい。


海岸でハマグリを獲っている

お父さんを手伝いに向かう途中

ミサゴやアビ、カモメといった鳥たちや

アザラシを見かけ


「あたしの歯、 1ぽん ぬけかかってるの!」


と自慢げに彼らに教えたり

秘密のお願いのことを考えながら歩いた


色々なことを――鳥たちには歯がないことなど

お父さんとお喋りしているうちに

気がつくと、サリーの抜けかけていた

歯がなくなっていた!


一生懸命探したけれど見つからず

悲しい気持ちで家へと帰るサリー。

その途中、抜けたカモメの羽を1本拾うと


「じゃ、あたし、このはねで おねがいをしよう」


それからお父さんと妹と3人で

ボートに乗って、村へ買い物に。


ボートのモーターを修理してもらっていると

壊れたスパーク・プラグが床に捨てられた。


それをすかさず拾うと

サリーは妹に渡し

変わりに秘密のお願いをしてやるのだった。


食料品のお店で貰った

サリーは、チョコレート・アイスを

妹のジェインは、バニラ・アイスを

それぞれ食べながら帰路につくのだった。


アイスをもっと欲しがる妹に

歯が抜けたサリーは、大人のように諭す。


「もう おねがいしたぶんは、これで おしまいよ。」


それに家では、お母さんの作る

美味しいハマグリのスープが

待っているから、と。


濃紺一色で描かれた

躍動感溢れる味わいある絵柄。


会話から感じ取れるお父さんの懐の深さ

村の大人たちのユーモアと温かさ

子どもたちを囲む環境の

何と優しくも力強いことか。


フランシスシリーズ(記事は→こちら )と同様

私自身が目指したい

今となっては貴重な大人の姿。


少々長めの文章だけれど

石井桃子氏の訳が優しく愛らしく

サリーのおしゃまな言動が

読み手も聞き手も飽きさせない。


見返しの絵もまた

見逃さずにはいられない素晴らしさ。






ご無沙汰してしまいました。熱が上がったり下がったりと

不安定な状態だったのですが…検査結果などは問題なしでした。

年なのかなぁ…って言うと怒られますが、自分の体に気を遣う

なんてことは今までなかったので、やはり今後は考えなくてはと

思わされました。コメントのお返事など遅くなり申し訳ありませんでした。

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