次世代の無線通信技術として注目されているニュートリノ通信の試験運用が開始された。現在、無線でのデータ通信には、電磁波が使用されている。徐々に大容量の高速通信が求められてきたことから、電磁波通信技術の高度化が進められたが、現在、電磁波での高速化は限界になったと言われている。
 これに変わる無線通信方法として、ニュートリノを媒体とする方法が検討されている。ニュートリノは、質量がごく小さい粒子であり、光速に近い速度で伝達が可能である。また、通常の物質とほとんど相互作用しないため、高周波数(高エネルギー)であっても、人体などに全く影響しない。高周波数にすることで、電磁波以上の速度でデータ通信が可能となる。また、途中に障害物があっても、全く影響されずに透過するため、どんな場所でも問題なく受信できる。
 しかし、物質と相互作用しないという特性は、データの受信が難しいという欠点にもつながっていた。しかし、2038年にベックス教授が発見した「ベックス効果」を使うことで、効率的なデータ受信が可能となった。
 高速、大容量の無線データ通信は、現在一番強く求められているテクノロジーであり、今回の試験運用の結果が注目される。