男性Aさんが仕事を持ってきた。
Aさんは、飲み仲間の一人で、社内でも比較的親しくしている方だ。
私のそばで書類に何か書きこみながら言った。
「ねぇ、今日の下着いつもと違わない?」
突拍子もない言葉にすぐには理解できなかった。
“下着って何だ? 私、パンツでも見えてるの?”
「いつものブラと違うでしょ? なんかいつもより胸大きくない?」
「いつものってどういう意味よ。 いつも私がどんなのしてるか知ってるみたいじゃない」
「いや、見たことはないけど、いつもより今日は大きいなって思って。 新しいブラでしょ?」
信じられない! 普通こういうこと言うか?
万が一、いつも見てたとしても、いつもと違ったとしても、それを本人に向かって言うか?
恋人同士でも何でもない男が普通言うか?
何言っても、私はへらへら笑ってると思ってるんだろうな。
“なめんなよ!当分、喋るのやめとこ!”
自分の中で決定した。
しばらくして別の男性Bさんが仕事を持ってきた。
私の横に置いてあったシティリビング(フジサンケイグループの女性用無料情報誌)を見ながら笑っている。
「何笑ってるの?」
「これ面白いね。 エッチ度が分かるみたいだよ。 俺はチェックしなくてもスケベです。 ハッキリ言ってスケベです」
「じゃぁさ、向こうから露出度の高い女性が歩いて来たらどうする? じっと見る?」
「そりゃ、見るさ。 まず足首から見て、膝、太もも、ヒップ、バスト、顔の順だね」
「なるほどね、舐めるように見るんだね」
そこへAさん、またまた登場。
何も事情を知らないBさんは、Aさんに、
「Aさんもいやらしい視線で、女を見ることあるだろ」
と、言った。
いきなりそんな事を言われたAさん、バツが悪そうな顔しながら、何も言わないで立ち去った。
アホだ、こいつら。
仕事の邪魔だよ! あっち行け!
(2003/09/10)