先月28日の記事で紹介した、岡山市妹尾の栗村神社に第二次世界大戦


に出征の際に奉納した写真が見つかり、”里帰り”させたいという話につい


て、その後新聞記事がきっかけとなり、未返還だった9人中5人の手がかり


が判明して里帰りが出来たことが分かりました。いずれも本人は復員後に


亡くなって居ましたが、岡山市内に住む妻子や孫らのもとに返されました。

         (この記事は8日の【山陽新聞】からで画像もお借りしました)

 





「まさかと思ったけど、父の顔と似ていたのですぐに分かりました」。木佐谷


奈緒子さんは記事掲載の翌日、祖父・木村改太さんの名前が載っていると


隣人から新聞を見せられ、妹の木村幸子さんらと栗村神社を訪ねました。



改太さんは22歳の時に出征し、旧満州(中国東北部)に渡りました。帰国後


は機械修理などの仕事をして、木佐谷さんが生まれる2年前に他界しました。


面識はありませんが、祖母(故人)からよく話を聞き、写真を見せられていまし


た。栗村神社は、木佐谷さんにとって初詣などで訪れる馴染み深い場所です。


ただ、総代会が情報提供を呼びかけるため拝殿に奉納写真を掲示した2017


年の正月は、喪中で参拝を控えていました。長い歳月を経て家族の元に戻っ


てきた写真を手に「ずっと中にいたんだネ」と感慨深そうにつぶやき、「お爺ち


ゃんがいたことを実感できました」と喜んでいました。



この日は岩佐孔郎さんの写真を受取りに妻・民江さん(93)も神社を訪れ、木


佐谷さん姉妹と写真を見せ合い、故人をしのびました。



復員直後に病死した中務鐵治さんの写真は、おいの中務明さんが引き取り、


自宅の仏壇に飾って居ます。佐藤恒雄さんの写真も娘が持ち帰りました。



同神社にはほかに4件の連絡がありました。1件は氏名、年齢、出身地などが


不詳な写真ですが、「親族に似ている」と名乗り出た女性が確認し、供養のた


めに持ち帰りました。もう1件も妻と見られる人が関西にいることが分かり、写


真を送って確認中です。残る2件は別人の可能性が高いといわれます。



写真の返還を発案した総代の永原國夫さんは「戦後70年以上が経ったにも


かかわらず、今回多くの人が連絡をくれ、家族の思いの強さを感じました。残


る4人の写真も里帰りさせてあげたい」と話しています。



栗村神社では引き続き情報を募っています。問い合わせは総務担当の雪本


卓司さん(☎090-7502-3691)となっています。