先日、日本初となるETNが東証に上場した。上場したETNはバークレイズの2銘柄である。
日本初というとさぞ新しいもののように思えるが、2009年12月にはバークレイズのETNはシンガポール取引所に上場を果たしているし、金融最先端のアメリカでは2006年から取引されている。

シンガポールが日本よりも先に取り扱いを始めている辺りから、日本がもはやアジアの中心でないことが垣間見られるが、そういった話は脇においておき、今日はこのETNとは何かということを書きたい。

とはいっても、実を言うと僕もETNというものをつい最近Active Indexさんのブログで知ったのでまずはこちらを参照して頂きたい

専門的に詳しいわけではないので、僕は要点だけを書こうと思う。

要は、「ETNには裏づけ資産がない」が故に「トラッキングエラーが発生しない」、「様々な対象指標に連動が可能」という特徴を持っている。

トラッキングエラー:ポートフォリオとベンチマークのリターンの乖離

日経225に連動するETFとETNがあったとする。
ETFは裏づけ資産が必要で、ETNは必要ない。
ETFでは裏で実際に日経225の組み入れ銘柄となる株を購入するわけだが、株には購入単位等の制限があるため日経225と全く同じポートフォリオを組むことができない。また、売買にはオファービッドもあるし、買うタイミングで価格は常に変動しているから、ベンチマークとなる日経225の値動きと実際のETFの値動きが全く同じになることは不可能というわけだ。
ETNでは裏づけ資産を持つ必要がなく発行体がベンチマークと同じ値動きを保障するわけだからトラッキングエラーが発生しないというわけだ。

ETNにはトラッキングエラーが発生しないという特徴とは別に「様々な対象指数と連動が可能」という特徴がある。
様々な、とはたしかに発行体が保障すればなんでも対象にできるのだと思うが、特に農産物などの商品への連動にETNは適しているように思う。
Activeさんのブログにもあったように例えば100億円のロコ・ロンドン金価格連動ETFがあったとしたら、実際に契約倉庫に100億円分の金塊を保有しなければいけない。
もしこれが金ではなく農産物だったとしたら、実物はもちろん劣化してしまうわけだから保有することは難しい。裏づけ資産の必要がないETNであればこういった問題がなくなるので、農産物等の商品指数に対する連動にETNは適しているように思う。

ETNを買えば儲かるという話ではないが、これで本邦投資家にも農産物等のコモディティ投資への裾野が広がる可能性があり、投資家にとって選択肢が増えることは喜ばしいことだと思う。これからはコモディティの時代になる可能性も十分にあるだけに尚更だ。

最後にETNのリスクを1つ。
ETNとは裏づけ資産がなく発行体が指数との連動を保障する商品。
つまり、発行体は破綻等してしまうとそのETNはただの紙切れになってしまう、という発行体リスクがあることには十分気をつける必要がある。





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