以前、ジョン・メリウェザーのアービトラージというエントリーを投稿した。

メリウェザーはソロモンブラザーズ退社後。LTCMというヘッジファンドを設立した。
ここでもメリウェザーは年間利回り40%超の高パフォーマンスを上げるが、1998年に起こったロシア危機によって破綻に追い込まれてしまった。

1999年にはLTCMの負債を返済し、新たなヘッジファンドJWMパートナーズを設立した。ここでは以前ほどの高パフォーマンスは上げられず、2007年から始まる世界金融危機により資産の半分程度を失い2009年、閉鎖に追い込まれた。

現在、メリウェザーは自身3度目のヘッジファンドを設立して奮闘しているが、パフォーマンスは芳しくない。

メリウェザーはたしかにすごかった。しかし、全てのものは栄枯盛衰なのだ。

メリウェザーがアービトラージで稼ぎまくっていた時代は、まだ金融工学が浸透しておらずマーケットに金融工学を導入している者がいなかった。いち早く金融工学を導入し、市場の歪みを見つけ鞘をとっていく手法は当時ではローリスクで莫大な利益を上げることができたかもしれないが、今ではその手法は全く通用しない。

だから、今、過去のメリウェザーと同じようなことをしても利益が上げられないのは明白だ。もしメリウェザーのような歴史に名を残す投資家になりたければ、まだ誰も考えていない投資アプローチで市場に立ち向かう必要があるのだろう。

彼がすごかった点は、アービトラージではなく誰も知らないことを一番早くやってのけたことなのだから。




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