プロジェクト憲章など、準備に時間をかければ遂行がラクになる | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

プロジェクト憲章など、準備に時間をかければ遂行がラクになる

今月から、日本・フィリピン横断で、経営企画プロジェクトを走らせることになった。

1年間かけて、会社の中を見える化する。

部門や階層やオフィスが違えど、言っていることをさらにかみ合わせにいく。

一つの方向性に向かって、講師を含む全グループで一丸となる。

こういうプロジェクトだ。

そして僕が、プロジェクト・オーナーである。

(プロジェクト・マネジャーのいわゆる上司に相当する。)

 

ただ、レアジョブはベンチャー。

リソースが潤沢にあるわけではない。

 

だからしっかりとプロジェクトの計画を立てた。

より正確に言うと、計画の前提をつくった。

この計画の前提のことを、「プロジェクト憲章」と呼ぶ。

PIMBOKという、世界的なプロジェクト・マネジメントでの用語だ。

 

それで、今日のそのプロジェクトのキックオフがあった。

キックオフのミーティングに、プロジェクト憲章を間に合わせるべく、

アレヤコレヤ考えていたり作業したりしていたら、

昨晩、ほぼ徹夜してしまっていた。。。

 

(徹夜は生産性よろしくないので、かなり久しぶりな徹夜となった。)

 

そして今日、プロジェクトのキックオフ・ミーティングを迎えた。

集まったチームはなぜかインターナショナルで、

アフリカ、中国、フィリピン、日本で働いたことのある面々。

僕が提出した「プロジェクト憲章」にさっそく突っ込みが入る。

 

「もう少しヒアリングに時間をかけて、課題抽出からやったほうが、

 的外れになるリスクを避けられるのではないか?」

 

確かにその通りだね、ということになり、

ヒアリングに1ヶ月かけ、所定の成果物を作成することになった。

その分他のマイルストーンは、

1ヶ月遅らせたり、後の部分で吸収したりすることになった。

 

うれしかったのは、

以上のような議論や変更が、とてもスムーズにできたこと。

 

それは、プロジェクト憲章によって、

プロジェクトの計画(の前提)が全て文字化されていたからだ。

 

「なぜこのプロジェクトをやるのか?」

「何の数値を上げるのが目標なのか?」

「プロジェクトの狙いは何か? 何はする必要がないのか?」

「リスクは何で、どう対処するつもりなのか?」

「ステークホルダーは誰で、どういう関心を持っているのか?」

「プロジェクトに変更があったときは、誰がどう議事録を取り、どこに上げるのか?」

 

以上が全参加者に共有されているので、議論がとても簡単に済む。

プロジェクト・マネジャーやリーダーやメンバーが自走できる。

 

「プロジェクト憲章あると、プロジェクト、超ラクだな」 とさえ思える。

ビジネスにおける議論の半分以上は、

前提の共有が不十分だからやっているように思える。

 

世の中には、プロジェクト・オーナーに相当する人たちがたくさんいるが、

思うようにいかないプロジェクトに四苦八苦している時間があったら、

プロジェクト憲章の書き方を覚えるのがよいと思う。