意見を吸い上げるが、決定権は保持する | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

意見を吸い上げるが、決定権は保持する

フィリピン側の会社を経営して、もっともっとフィリピン人にリーダーシップを発揮してもらいたいと思っている。

ここでいうリーダーシップは、「あれやれ」「これやれ」というものではなく、
ちきりんさんが言うような、プロジェクト成功のための貢献を主体的にやる、というもの。

話を聞く限り、他の在フィリピン日系企業に比べると、うちのフィリピン人スタッフたちは主体的だと思う。
でも、まだまだもっといけるはず。

で、リーダーシップを発揮してもらうときに大事なのは、
自分たちに決定権があると思ってもらうこと。

「決定権はないが、リーダーシップを取れ」 というのは矛盾している。
矛盾している言葉では人は動かない。

この「決定権」について、フィリピンの会社で問題だなと思うのが、
新しいルールがフィリピン人スタッフたちの関与なしに施行されてしまうこと。
もう少し正確にいうと、関与なしに施行されたと思うフィリピン人スタッフが増えていること。

会社が小さかった時は、なんだなかんだで話を通しやすかった。
だが正社員が100人を越えた今、意見の収集を意識してやらないと、情報が滞ってしまう。

だから、ルール施行前にルールに対するフィードバックをフィリピン人スタッフたちから集めることが重要。
でも、それをしようとして出てきた懸念が、へんな誤解を与えないか、ということ。

新しいルールを施行する前に、
そのルールについてどう思うか、反応を聞くのだが、
たとえば反対されたからルール施行をやめるとか、
そういうわけではない。
ここを変に誤解されると困る。

最終決定権はあくまでも経営陣が握り、Go or No Goを決める。
反対が多いときも、
多くの場合、反対の理由はルールそのものというよりも、
その前段のコミュニケーションに問題があることが多い。
そうでない場合も、ルールそのものというよりも、
もしくはもっと違う奥深い部分に根っこがあったりする。
だから、きちんと情報を集め、あくまでも経営陣が決定する。

経営陣が決定するのは、新しいルールに責任を持つ人たちだから。
ビジネスにおいては、責任と権限は表裏一体だ。
そうでなかったら、たいがいの場合ゆがみが生じる。
短期ではごまかせても長期では問題が生じる。

だから、責任を取る人が権限を持つ、これが大事。
新しいルールを決めて施行するときも大事。

みんなから意見は吸い上げて大いに参考にする。
だが、それに振り回されることはしない。

大事だと思うことを、信念の通りに貫き通す。
ただし、説得はあきらめない。
短期長期や部署間のバランスもとる。
それらをきちんとやるためにも、みんなからきちんと情報や反応を吸い上げたい。