月次でフィードバック専門のミーティングをやる | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

月次でフィードバック専門のミーティングをやる

1月に、フィリピン側スタッフを対象に、従業員満足度調査をやった。
結果を見ると、ミドルマネジメントがけっこう不満をためていて、これはちょっと驚いた。
その不満のいちばん大きな要素が、フィードバックのなさ、だった。

これは思い当たる節があって、
日本・フィリピンを僕やCOO中村が行き来しており、
なかなかフィリピン人スタッフたちの仕事をハンズオンで見ることができないでいた。

でもやってほしいことは目標として立ててお願いするから、
彼らからしてみれば、
仕事を立て続けにはやらされるものの、
それがどうよかったか悪かったか、向上するとすればどういう点なのか、
フィードバックが全然ない状態だった。

これが臨時ならまだよいが、
半年、1年とこういう状態がずっと続いていた。

これじゃ不満がたまって当然だ。

だから、ミドルマネジメントたちにこう言った。

「不満があるのがわかった。 トップマネジメントして、僕はこれは真摯に受け止める。」
「でも、君たちも、この会社で自分たちが重要な存在だとわかっているはずだ。別な言い方をすれば、この会社を変えられるのは君たちなんだ」
「だから、このフィードバックをどう改善したらよいか、君たちから具体的なアイデアを出してほしい。」
「僕やCOO中村が、日本フィリピンを往復して忙しいことは、君たちも承知だと思う。ハンズオンではできない。」
「それでも、フィードバックを返す、ということは可能だと思う。だがそれをどうやればいいか、君たちが考えてほしい。」

こんなふうに書くとたいそうに聞こえるが、
要は仕事をぶん投げてみたわけだ。

ぶん投げてみたところ、1週間半後、彼らがアイデアをまとめてきた。
そのアイデアは、次のようなものだった。

・月次でフィードバック専門のミーティングを設けてほしい。

半年に一回給与面談をやっているので、そのときは当然フィードバックする。
それとは別に、仕事上のミーティングを週次とか定期的にやっている。
それをつなぐようなミーティングを、月次でやってほしいのだという。

なんだそんなんでいいのか、と思ってOKした。

で、ここ数日、それをやってみた。
僕がフィリピン側で持っている部下はいま9人。 (これでも以前よりもだいぶ減った)
9人を4日に分け、ミーティングを設定した。

ミーティングを設定したはいいが、何を話せばいいか、考えが全然まとまらなかった。
ミーティングの時間は1時間。
いったい何を話せばいいのかと、ミーティングの直前まで悩んだ。

で、開き直って、正直に話すことにした。

「こういうフィードバックのミーティングをやることになったのだけれど、
 僕は君のタスク遂行を横で見ている時間は限られているから、
 正直、具体的な行動についてフィードバックやるのは難しい。」
「だから、今日のフィードバックは、質問をいくつかさせてもらう形で行いたい。」
「君の成果を最大化したいと思っている。 最近、業務遂行のうえでぶつかった問題を2,3教えてほしい」

そうすると、次のような話が出てきた。

・部下が、期限を守ってくれない

なんで期限を守ってくれないだろうかと掘り下げた。

・「緊急かつ重要なタスク」 に追い回されてしまっているから。

それはなぜなんだろうかと掘り下げた。

・他のチームから急な依頼が多いから。

どのように急な依頼が多いのかな、と具体例を掘り下げた。
確かに急な依頼もあった。
一方で、急には見えるが、事前にその依頼が予測できるケースもあった。

・スケジュールをいつも立てるようにすれば、「急な依頼」にみえるタスクの少なくとも半分は前もってわかるよう、コントロールできる

ここまで来て、そのスタッフは、はっとした表情になった。
自分がどの点を進歩させればいいか、わかってくれたようだった。
ミーティング前には僕も全然持っていなかった仮説だが、
ミーティングを通じて、お互いに新しい発見があった。


こんな感じで、合計9人行った。

本人のパフォーマンスを最大化するうえで大事なのが、
僕の仕事のやり方を変える、という場合もあった。

エクセルの使い方を学習するとか、単純なところが思わぬ落とし穴のケースもあった。

9人ぶんやってみて、こういうのって、いいなと思った。
お互い仕事をやっていく以上、仕事の成果だけを求めていては、やっぱりダメだ。
成果を最大化するにはどうしたらお互いやりやすいか、
そういうミーティングを定期的に開くと、
ミーティングを持つコスト以上に、生産性に大きくプラスになる。
なにより、スタッフたちが仕事に前向きになる。
フィードバックを欲しいと言ってくれていること自体が、ありがたい。

これからも続けていこうと思った。