さも自分が思いついたかのように言う | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

さも自分が思いついたかのように言う

スティーブ・ジョブズを揶揄したストーリーに、こういうのがある。

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スティーブ・ジョブズに意見を取り入れてもらうのは簡単だ。
彼に意見を提案し、徹底的に否定・罵倒されればいい。
数週間後、あなたの意見を、さも自分が思いついたかのように彼はあなたに言ってくるであろう。
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始めてこれを読んだときは、
「そんなバカな 笑」
と思ったが、
実際に会社を始めてみると、
これ、僕もたまにやっているように思う。 笑



何でこうなるかと言うと、次のようになっていると思う。

・従業員とは違うものを見ているからこそ、経営者が務まる

・ではどうやって違うものを見るかというと、
 頭の中に、言語化されていない今後のストーリー(=ビジョン)を持つこと。
 そして意思決定を、このストーリーに即しているかどうか、で判断することである。

・このストーリーは暗黙知であるので、時間をかけないと共有しづらい。

・だから、スタッフともあまり共有できていない。
 スタッフは新しいアイデアを説明するときに、ストーリーに則って説明するのが本当はベスト。
 ただ実際上それは難しい

・ゆえに、新しいアイデアが例え良いアイデアであっても、経営者のストーリーと合わず、
 経営者が反論することがある

・ただ、いったんは反論した後も、経営者は言われたことは頭の片隅で常に考え続けている。自分の事業に真摯な経営者であればあるほど、表面上はともかく、どんな意見も完全には否定すべきでないことを知っている。

・そんな無意識の自動思考が、ある日、発酵しきる。
新しいアイデアを自分のストーリーにはめこむ方法を見つけたか、
新しいアイデアが、ストーリー自体を変えてしまったかの、どちらかだ。

・でも、そのときは、数週間もたっているから、
そもそもそのアイデアがどこから来たかなんて覚えていない

・だから、その瞬間、「思いついたっ!」 と叫ぶ。
誰かに話したくなる。
そのアイデアに関係する人を探し、アイデアを出した本人に向かって、
さも自分が思いついたようにとうとうとしゃべりだす。





そういうことなんです。

だから許してほしいときがあります ってのと、
経営者のそういう特性、うまく活用してほしい、  とも思います。