草津白根山では、火山性地震がやや多い状態が続き、火山活動の活発化を示す変動が観測され続けており、噴火警戒レベル「2(火口周辺規制)」が継続しています。

気象庁が6月20日に発表した「平成26年 No.25 週間火山概況 (平成26年6月13日~6月19日)」には、

 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。
 GNSS観測によると湯釜付近の膨張を示す変動がみられており、全磁力観測では湯釜近傍地下の温度上昇を示す変化がみられています。
 また、火山性地震は今期間やや多い状態で経過しました(図2)。火山性微動は観測されていません。遠望カメラによる噴気などの状況等、他のデータには特段の変化は見られていません。


 湯釜火口から概ね1㎞の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、ところどころで火山ガスの噴出が見られ、周辺のくぼ地や谷地形などでは滞留した火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください。

図2 草津白根山 日別地震回数(2014/05/01~06/19)

上記・気象庁の発表に、
「湯釜火口から概ね1㎞の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。」
との記載があります。

主要な観光道路で、草津白根山近くを通る国道292号線の一部は、火口から 1km 圏内に入っていますが、地元ではいろいろと理由をつけて、国道292号線の規制を緩めています。



下記の記事をご覧ください。



草津白根山、国道292号は昼間の通行可能に



 群馬、長野県境の草津白根山(2160メートル)の噴火警戒レベルが1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げられ、今月3日に通行止めになった群馬側の国道292号8・5キロ区間が14日から、午前9時~午後5時に限り通行できるようになる=地図。このうち、一部が火口から半径1キロ圏内に含まれる長野県寄りの3キロ区間は駐停車禁止となる。

 群馬県によると、気象庁などの意見を参考に決めた。日中は同県草津町が職員6人を国道292号に配置。通行車両を誘導し、駐停車禁止を徹底する。噴火の危険性が高まれば全面通行止めにする。

 長野県を通じ、群馬県に通行規制の緩和を働き掛けてきた下高井郡山ノ内町の竹節義孝町長は「車の往来ができるようになり安心した。安全が第一だが、夏の観光シーズンへの影響を心配していた」と話した。草津白根山に向かう長電バス(長野市)の路線バスや急行バスは、停留所が駐停車禁止区間内のため、群馬県境の渋峠で折り返し運行を続ける。


[記事は以上です。Source by 信濃毎日新聞News]





「夜間通行止」、「特定区間駐停車禁止」、「職員を配置」などの対策をとることで、
地元自治体は規制緩和を正当化しようとしています。これは観光客確保のためです。

しかし、気象庁の発表のように、噴火とそれに伴う噴石の飛散の可能性、さらに火砕流などの危険さえ考えられます。このような現象は、もちろん昼夜を問わず突然起こる可能性があります。

人命軽視

国道292号線を走行中の車に突然の噴石が当たる可能性も。


実は、熊本県の阿蘇山で、地元が地図を改ざんし、1km の規制を回避してロープウェイを運行したため、多くの死傷者が出た事例があります。
(1958年06月24日)

19580624阿蘇山死傷者41名


この時は、作業員12名が死亡するなど死傷者41名の惨事となりましたが、夜22時過ぎだったため観光客は含まれていませんでした。







この阿蘇山の事例のように、火山噴火などの自然災害や、原発事故などの人為的災害が発生した際に、地元自治体は災害のリスクを過小評価して安全をアピールする場合が多いです。


特に観光産業が大きな収入源となっている自治体ほど、「風評被害」という言葉によって、
安全を疑問視する声を封印する傾向が見受けられます。



でも、何よりも「安全第一」 


地元住民でも観光客でも、人命を最優先で対処すべきだと思います



やはりあの方の予言通り、草津白根山 8月に噴火するのでしょうか



草津白根山



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