これまでの出来事(前編) | ねこじた男のふたりごと

これまでの出来事(前編)

親愛なる読者の皆様、ごきげんよう。前回の更新から11ヶ月余り。如何お過ごしでしたか?元々、更新頻度に規則性の欠片も無かった我がサイトではありますが、これ程の期間、何も音沙汰が無かった例はさすがにありませんでした。そんな状況を目の当たりにされた皆様の中には「このサイトでも何度かネタになった某アーティストみたいに活動休止か?ま、さして興味もなかったから、どうでも良いや」と思っていた事でしょう。


が、今、現実に『新規書き下ろしによる完全新作』の記事をあなたは目にしている訳です。従って、今あなたは上記の可能性を捨て、改めて「あるいは『傍若無人・唯我独尊の某少女がとても良い顔で笑い出すと、その少女によって強引かつ唐突に、訳の解らないSF世界に放り込まれた、巻き込まれ人生を送る哀れな某少年が疲れるカラクリ』の下で進行する大人気ライトノベル原作の某アニメが先日、テレビ・新聞・雑誌等のメディアに何も情報を開示せず、放送内容を『完全非公開』のまま、唐突に『新作放送』を行った件にあやかったのか?」と、考え始めている事と推察します。「←違うなぁ。間違っているぞ。後輩!」え?あ…あれ?今、どこからかゼ○様ことル○ーシュ君からのありがたいご指摘があったようですが…まあ、とにかく!今回の場合、ただいつものようにボーっと過ごしていた訳では無いのです!


この度は、この間に先輩の身に起きた惨事と、それに伴ったねこじたーず史上最大にして未曾有の危機についての報告と、これ以降のブログ復帰(不定期)(←おい!)を宣言する。そんなお話を3部作(予定)でお送り致したく思っております。という訳で以下、お馴染みの会話形式に移行します。それでは、最後までお楽しみ下さい。


後輩「…はい、という事で始まりました。ですが、本題に入る前にはっきり言って
  おきたい事があります。それは…今回の記事に限っては、決して軽い気持ちで
  読み進めない事。以上を守れずに後悔されても当方は一切の責任を負いま

  せん。今回、先輩の身に降りかかった事象は本気のヤバさとは何か?を思い
  知らされた、ある意味において本当に貴重な体験だったと自分は認識しており
  ます…。皆様がその辺りに想いを致して厳かかつ真摯な気持ちでこの記事に
  向き合って下さる事を切に願っております…」
先輩「…(あれ?初っ端から漂うこの重苦しい空気は何?どうしちゃったの??)
  ね、ねぇ」
後輩「何?」
先輩「どうしてこんなに暗~い感じの始まりなの?」
後輩「どうしてって、それは……これから書く内容を考えたら当然で、しかも
  自然な入り方だと思うけど?それくらい大変な事だったと、少なくとも俺は
  思ってるんだけど…まさか、その自覚がないとか?」
先輩「い、いや。確かに俺も後輩の認識は正しいと思うよ。俺自身も大変だった
  けど、両親や後輩を始め、その他、大勢の人に心配をかけたし。未だにこう
  して生きていられた事には、感慨深いものもあるから」
後輩「それなら良いじゃん」
先輩「うん…でも、だったら後輩こそ、どうして前置きだけ中途半端にふざけた
  のさ?」
後輩「それは、久し振りに帰って来たっていう事のアピールとか。読んでもらう
  ための惹きを考えたら、意識して無理やりにでもこれまでやって来たスタイルで

  始めた方が良いかなと思ったからで…」
先輩「そう!それだよ!!」
後輩「…どれだよ?」
先輩「確かに、今回は本当に危ない経験だった。でも、こうしてブログにも戻って
  来れた訳だ。しからば、それがどんな記事であれ、これまで通りにやって行く
  方が良いと思わない?」
後輩「そうは言っても、ものには限度ってものがあると思うよ。何と言ってもつい
  8ヶ月前に、先輩は死…」
先輩「…(ええい、このままじゃ埒があかないなぁ。よし!こうなったら…)
  アイ・ハヴ・コントローーーーール!!!(ハァハァ…)はい。これで、この
  記事に関する全ては俺の意のままに動くようになりました。よって、これ
  以降は、11ヶ月前までと同じように進める事!ユーコピー?
  (…ところで『ユーコピー』ってなんだろう?)」
後輩「…ア、アイコピー」
先輩「うん。じゃ、そういう事で。あ、今回は俺メインの話でもあるし、進行も
  俺がしちゃって良い?」
後輩「…うん」
先輩「ありがと。え~と、じゃあ前置きが長くなり過ぎた感が否めないけど、
  それも含めて俺達のサイトらしいって事で。ここから本題に入りたいと思い
  ま~す」
後輩「はい」
先輩「そう、あれは昨年10月のとある土曜日の事…で良いんだっけ?」
後輩「うん」
先輩「(ほっ)で、あの日は、何で会う事になったんだっけ?」
後輩「…俺の両親が泊りがけで出かけたから、良かったら夕飯でも一緒に食べ

  ない?って、俺が誘ったから」
先輩「そうだ、そうだ。俺の仕事が終る頃、仕事場に来てもらって、そこから
  電器屋に寄ってウインドウショッピングをした後、夕食を食べにファミレスに
  行ったんだよね?」
後輩「そう。それで、食事や話が一段落して、2人とも自分の携帯やパソコンを
  いじり始めたら、突然、先輩が乗っている車椅子の前輪が浮き上がって、その
  まま後ろに転んじゃったんだよ。あの瞬間の事は今でも忘れられないね。俺が
  携帯をいじってて、ふと先輩の方に視線をやったら先輩の車椅子がもう後ろに
  倒れるしかない角度になっててさ。その時、先輩と目が合ったの!」
先輩「うん、うん!俺も憶えてるよ。で、店員さんは集まって来るし、それで、
  他のお客さんにも注目されちゃうしで、恥ずかしい思いをしながら、店員さんに

  車椅子を起こしてもらって何とか自力で車椅子に座り直せたんだ。で、その
  時点で右の側頭部が痛い事に気付いたのね。でも前に同じような体験をした時、
  病院に直行してレントゲンを撮ったけど、結局、何ともなかったという経験が
  あったから、やたらに騒ぎを大きくするのは憚られるような気がしてさ。
  店員さんが勧めてくれた救急車を断って、とりあえず、様子を見る事に
  しちゃったんだよね。そんなこんなで席に戻ったら、後輩が、ビックリした
  顔のまま青くなりかけてたから、俺はそっちに驚いたけど」
後輩「そりゃ、当然でしょうよ!幾ら起き上がって来たとは言え、先輩の障害
  (骨形成不全症:以下、骨形)がどんなものか?を知ってたらさ…何が『俺は
  そっちに驚いたけど』だよ!!他人事みたいにしれっとさ…」
先輩「あ、ああ。そうだよね…悪い、失言でした。(汗)」
後輩「その後、30分くらい状況を見て結局、自分で車を運転して病院に行く事に
  したんだよね?」
先輩「うん。様子を見てる間に右耳がお風呂で水が入った時みたいな感じで
  聞こえにくくなって来たからね。それに、何となく全身の違和感が出てきたり
  して不安になっても来たから」
後輩「そっか。でもこの時点では、会話もちゃんと成立してたし耳の出血
  (聞こえにくくなった時に転んだ衝撃で耳の中から出血したのか?と思って
  綿棒で確認した。)もなかった。加えて、先輩が無理をしてるとは思って
  ないから、俺も少し安心しかけてたんだ…だから、先輩が『病院へ行ってみる』
  って言い出した時も念のためくらいにしか思ってなかったんだ。この時は、ね」
先輩「が、その時、頭の中では出血という名の悪魔がじわじわと現れ始めていた事を
  この時の俺達は、知る由もなかった。推理物のドラマやアニメなら、こんな
  感じのナレーションがつきそうじゃない?ね!」
後輩「『ね』じゃないよ。今話してるのは、ドラマやアニメみたいな非現実の世界
  じゃなくて、過去に実際に経験した事でしょ!シャレにならないんだよ。そう
  言うのは!ブラックにも程があります。全く!」
先輩「済みません…で、病院に向かうために車に乗り込もうと、車椅子の後ろに
  ある荷物を降ろそうとしたら、それが腕の内側に触れて何か痺れるような
  冷たいような感じがして、一気に不安が込み上げて来たんだよね」
後輩「ああ。そういえば、車中では会話が無くなったし、出発前に『運転中に何か
  あったら』とか言い出して、車の緊急停止の仕方を教わったね。それで、何と
  なく状況が芳しくない事は察したけど、まさかあれ程の事態になるなんて…」
先輩「うん。まあ、俺は車に乗り込む時点で、『相当ヤバイかも知れない』という
  認識はあったね。でも、とりあえず運転中に何も起こらなかったのは良かった
  よね。それは、今思い返しても心底思うところだね。後輩は免許を持ってない
  訳だし。だけど、問題は病院に着いてからだったね。何しろ、いつものように
  オートボックスから車椅子を下ろして、折りたたまれた車椅子を広げようと
  した時に、右手を使ってるのに、うまく広がらなかったんだから」
後輩「なるほど。確かに病院に着いてからは1分・1秒毎に状態が悪化しているように
  見えたな」
先輩「うん。それで『玄関までは来れたんだけど、車椅子を広げられなくなった』
  って連絡したら、受付の方であろう女性が駆けつけてくれたんだったよね?」
後輩「そうそう。その後、麻痺のせいで体を動かせなくなった先輩は、1人で
  車から車椅子に乗り移れなくなっちゃって、その女性が応援を呼んでくれて、
  何とか車椅子に乗る事ができたんだよ」
先輩「だけど、試練は終わらなかったんだなぁ。車椅子に乗れたのは良いけど、
  オートボックスの格納やキーロックが上手くできなくてさ。こっちは一生懸命に
  説明してるのに、何故かその通りにしてくれなくて、もどかしかったなぁ」
後輩「ああ。それは、先輩の症状が進んで言語にも影響が出てきたのか?詳しい
  事は判らないけど、とにかく言ってる事がバラバラで話が全く噛み合って
  なかったから、仕方ないよ。そのやり取りを見てて『これは、本気でヤバイ
  のかも知れない』と感じたから『俺がやっとくから良いよ』って言おうかと
  思ったけど、良く考えたら、俺も操作方法知らなくてさ。その時の先輩の
  説明じゃ、俺も良く解らなかったから、結局何も言えなくて…あの時ほど
  自分の事を情けないと思った事もそう無いってくらいの経験をしたね」
先輩「そっか。まあ、それでも何とかオートボックスの収納・キーロックが済んで、
  受付カウンターまで車椅子を押してもらって、そこに着くと今度は保険証の
  提出を求められたんだけど、これも片麻痺が始まってたから、上手く出す事が
  出来なかったんだよね。だから、受付の女性にバックから出してもらったんだ。
  その後、事故が起こった状況や、今ある症状等を聞かれている内に気持ち
  悪くなって、夕食で食べたものを全て吐いた後の事は憶えがなくて、次に
  気がついたのは3日後だったって訳」
後輩「なるほど。さて、復帰早々の1発目から相当長くなっちゃったから、
  とりあえず『前編』は締めてこれ以降のお話は『中編』に持ち越す事に
  しない?」
先輩「そうだね、そうしようか。次回は、俺の意識が飛んでる時の事とか、
  入院中の事をお話ししたいと思っています。それでは、また次回の更新で
  お会い致しましょう!さようなら~」