皆がすなる悪徳請求いぢりを山田もしてみんとす---後編---
中編はコチラ
。
タ 「すいません……ボクが間違ってました……。
確かに自分のした事に大人として責任持ってませんでした。」
詐 「いや、いいんですよ山田さん……わかって頂ければ……。
うちとしても別会社に発注・依頼するのも一手間掛かりますから……。」
タ 「本当にすいません……ちょっと図々しくも無理なお願いばかりし過ぎました……。」
少々下手に出て、なだめつつ謝りたおします。
詐欺夫はコチラの急激な態度軟化に……「自分の追い込みが効いた」とご満悦の様子……。
くどくならない程度に、思いつくだけの謝罪の言葉で頭を下げた後……
タ 「石黒さん……少々申し上げにくいんですが……今から読み上げる事を、メモに取って頂けますかね。」
超低空姿勢のまま、切り出しました。
詐 「は?」
タ 「ええ……ちょっとメモに取って頂きたい事があるんですが……お願いします。」
詐 「あ……はぁ……はい。」
突然の山田の申し出。
わけもわからず詐欺夫了承です。
タ 「え―――ミミズクトントンUMA銀行のメダカ町支店……
普通の123456……口座名義人が本名タロウです。」
詐 「はぁ……。」
わけもわからぬ生返事の様子です。
タ 「メモ取ってくれました?」
詐 「え……?あ……はぁ……まぁ……。」
タ 「じゃあ念の為、復唱してくれますか?」
詐 「あ……え……ミミズクトントンUMA銀行のメダカ町支店……
普通の123456……口座名義人が本名タロウ……。」
タ 「間違いないですね……。」
詐 「で……これが何か?」
タ 「コホン……。」
タ 「大人の責任やら法的根拠やら言うんやったら、
オノレが先にその口座に360万円
振り込まんかいっ!!」( ゚Д゚)ゴルァ!!
詐 「っっっっっ!!!!!」( Д ) ゚ ゚
(電話なので見たわけじゃありませんけど……多分こんな感じですよ)
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「ツーツーツーツー……。」
電話切りやがりました。
ちょっと驚かし過ぎたようです。
ココで詐欺夫を逃がしてしまっては、今まで演じてきた全て……
下手に謝った全てが水泡と化します。
迷う事無く速攻でリダイアルっ!!
♪♪♪♪♪~~~
5コール目くらいで詐欺夫、やっと取りました。
タ 「もしもし山田です~。すいませんね~。ちょっと大声出しちゃいましたねぇ~。
でも、石黒さん~~~いきなり電話切っちゃうなんて、ちょっとオトナゲないんじゃないですか?」
詐 「……………。」
タ 「あっ!!ケータイ電話のサポートセンターだから、電池が切れちゃったのかな~?」
フォローのようなイヤミを一つ差し込んでやります。
すると詐欺夫……
詐 「……まぁ……そんなトコロです……すいません。」
おいっ!!その言い訳、そのまま使うのかよっ!!
タ 「アダプターちゃんと差して下さいよ―――。頼みますよ―――。」
詐 「あ……はぁ……はぁ……。」
チクリと刺しつつも大目にみてやります。
なにせメインディッシュはこれからですから。
タ 「じゃあ何が360万なのかを簡単に紳士的に……且つ大人の責任とアナタが仰る法的根拠に基づいて
ご説明いたしますね―――。」
詐 「は……はぁ……。」
詐欺夫君……さっきまで弱気なスケベオヤジだった山田の
随分派手な変わりように面を喰らったようです。
タ 「どこでも結構ですから……検索サイトを開いて下さい。」
詐 「は……はい……。」
(ココからは読者の皆様も、詐欺夫に成りきって……同じ所作をしてみて下さい。)
タ 「開きましたら、検索ワードの部分に『ネコ裁判』と入力して下さい~。」
詐 「……………。」
タ 「『ネコ』はひらがなでもカタカナでも漢字でも結構ですよ~。
裁判は漢字で入力して下さい~。」
詐 「……………。」
電話の向こうから、カチャカチャとキーボードを叩く音がします。
一生懸命入力している様子です。
タ 「出来ましたか~?」
詐 「え……ええ。」
タ 「じゃあその一番上にある検索結果を読んで頂けます~?」
詐 「実録……ネコ裁判……と書いてありますが……。」
タ 「じゃあそれをクリックして下さい~。」
詐 「は……はぁ……。」
しばらくの沈黙の後……
詐 「出ましたが……。」
タ 「じゃあそのページの上の方にある『注意事項』ってトコロをクリックして下さい。」
詐 「……………はい押しました。」
タ 「じゃあその注意事項のページをズズっと下の方まで行って頂きまして―――。」
詐 「……………はい。」
タ 「項目6の『アダルトサイト業者専用コメント欄宣伝利用規約』の詳細ってトコロをクリックして下さい―。」
詐 「押しました……………………………………………………で?」
タ 「その規約はザザっと読んで頂くとして……一番最後の『料金お支払い案内』を、よーく見て下さい。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「はぁ……で???」
タ 「石黒さん……コレね……うちのサイトなんですよっ!!」
詐 「?????」
まだ詐欺夫にはワケがわからないようです。
読者の皆さんは、もう、どんなトラップが仕掛けてあったかお気づきでしょう。
さあ逆襲の追い込みに掛かるとしましょうかっ!!
タ 「いいですか?石黒さん……耳の穴かっぽじって、よーく聞いて下さい。」
詐 「……………はぁ……。」
タ 「この利用規約を簡単に説明しますと……『このサイト内にアダルトサイトへの誘導URLコメントを
書き込むと、CM掲載料が発生しますよ』って事なんですよ。」
詐 「……………はぁ……。」
タ 「アナタの会社のマック運営局さん……並びに名前こそ違いますが……
チェリー運営局さん・セクシー運営局さんは、うちのサイトに2日間で計4つのCMをされてるんですよ。」
詐 「……………。」
タ 「という事で規約通り……90万x4CMで360万円の利用料が発生するんですよねー。」
詐 「っっっ!!!」
タ 「人に追い込み掛ける前に
払ったらんかいっ!!!!!」( ゚Д゚)ゴルァ!!
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「ツーツーツーツー……。」
また切りやがりました。
どうやら詐欺夫、打たれ弱いようです。
可哀想なので速攻でリダイアルです。
詐 「もしも……。」
タ 「やだなー石黒さんっ!!とりあえず話を聞いてくださいよっ!!」
山田……元気一杯夢一杯です。
詐 「……もうしつこいですねっ!!なんなんですかっ!!山田さんっ!!」
対する詐欺夫、既にうんざりの様子です。
タ 「いやね……アナタが言うとおり……大人の責任と法的根拠に基づいて請求してるんですよ。
もう一回、耳の穴かっぽじってよ~く聞いてくださいよっ!!」
そう……山田がやってる請求理由は、100%マック運営局のパクリです。
ただ違ってるのは、金額が一桁ほど多い点でしょうか。
タ 「アナタはさっき言いましたよね?クリックだけで登録できるのは、
日々進歩するインターネットの世界に於いて、面倒な手続きを簡素化する為の進歩だと。」
詐 「……………。」
タ 「そしてIPアドレスから住所・氏名・使用者の割り出しも可能だと。」
詐 「……………。」
タ 「あ―――どうせIPアドレスから、使用者の割り出しなんか出来ないだろうって思ってますよね?」
詐 「……………。」
タ 「残念ですけど……うちの手法は『アナタの会社の書き込みで
サイトの品位を、著しく低下させられた』として警察に被害届け出しますから。」
詐 「……………。」
タ 「最近はネット犯罪っていうのが増えてるらしいですよねー。
いえいえ……マック運営局さんが、その一つとは思っていませんよ……。」
詐 「……………。」
タ 「だたこういった実害に対しては、警察って随分機敏に動いてくれるんですよねー。」
詐 「……………。」
タ 「まぁそうやって割り出したアナタの会社の詳細を元に……
今度は民事で支払督促の手続きを取らせてもらいますよ。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
防戦一方の詐欺夫。
しばらくの沈黙の後……
詐 「でもアナタ……さっきメールも出来ないって言ってませんでした?」
と……
随分的外れで、今更な質問キタ―――――っ!!
これには山田……。
少々不意を突かれました。
ですがココでも一分のスキすら見せるわけにはいきません。
タ 「あのねぇ……石黒さん……。
『メールが書ける』のと『ブログが書ける』のは別問題ですよ。全くもって別の次元ですよ。」
詐 「……………。」
頭ごなしに全否定です。
タ 「いいですか石黒さん……。
免許持ってて普通に車を運転できる人でも……原付乗れない人はたくさんいるでしょっ!!」
詐 「……………。」
タ 「飛行機乗れても自転車乗れない人だっているんですっ!!それと一緒ですっ!!」
全然例えが的外れです。
自分でもそんな事はわかっています。
でも今の詐欺夫は、コレで多分大丈夫でしょう。
タ 「というわけで……ワタシもブログ・サイトは書けても、メールは出来ませんっ!!
それが何か?」
詐 「………いえ。」
大丈夫でした。
タ 「他に何か?」
詐 「………にしても360万って……フッ……余りにもねぇ……。」
一瞬「呆れ」の鼻笑いを挟みながら……法外な請求額にケチをつけやがりました。
タ 「いえいえいえいえ……規約にも明記してあるでしょっ!!
それにうちはサイトの品位を下げてでも、アナタのトコの広告を現在も表示してるんですよ。」
詐 「……にしてもねぇ……。」
あれだけ詐欺夫は49000円からディスカウントする気が無かったくせに……言う事がセコいです。
タ 「いや~っ!!悪いんですけど石黒さん……。
うちのサイトは書籍発売もしてマンガ連載も抱えているサイトなんですよっ!!
一日のページビューが約4万ですからね……。
180日で720万PVですよっ!!」
詐 「………っ!!」
タ 「一ヶ月30万円……。三ヶ月で90万なら安いほうだと思いますけどねー。」
少しだけ水増しして現状報告。
なぁにこれくらいの水増しは誤差の範囲でしょう。
詐 「に……してもですねぇ……
ハニー運営局とセクシー運営局は、当マック運営局とは別組織でして……。」
惨すぎる言い訳……。
IPアドレスは同一。
ページのデザインもほぼ一緒だというのに……。
タ 「だったらマック運営局の2回の書き込み分……
180万は払えるって事だよなっ!!」( ゚Д゚)ゴルァ!!
見事に墓穴掘ってます。
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「ツーツーツーツー……。」
またまた切りやがりました。
本当に詐欺夫、打たれ弱いようです。
三度目のリダイアル。
詐 「……………。」
詐欺夫、電話を取るも無言です。
そろそろシメにかかりましょうか……。
いえ……別に詐欺夫を改心させようとか、足を洗わせようとかはコレッポッチも思ってません。
ただの自己満足です。
その点は予めご了承の上、以下の啖呵をお納め下さい。
タ 「ゴルァッ!!石黒っ!!テメェ自分の言ってた事はどこ行きやがったんだゴルァッ!!!
『大人の責任?法的根拠?IPアドレスから山田太郎って使用者名が出てます?』
都合のいい与太ばっかぶっこいてんじゃねぇぞゴルァッ!!!!!!
だいたいオレがお前に言ったIPアドレスは、テメーんとこのIPアドレスだよっ!!
東京丸の内ってオマエのそのワンクリック詐欺の事務所の住所だろがっ!!
気づけよボケっ!!おかしいと思えよカスがぁっ!!!
いいかっ!!オマエ等みたいなクソみたいなヤツが、楽しく ノホホンとやってるブログのコメント欄を
荒らしやがるから、こうやって逆にケツ噛まれるんだろがっ!!
今からバッサリサックリと、プロバイダーのOCNと振込先に当ててる架空口座の
凍結かけてやっから覚悟しとけよっ!!
……えっ!?『口座は一つじゃありません』って?
残念だけどお宅のページ……index.htmlから引いて26個の
口座番号引っ張れたから、もちろん全部潰しちゃうけど?」
甘いっ!!
脇が甘過ぎるワンクリック詐欺っ!!
ちょっと探せばアラだらけですっ!!
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「……………。」
タ 「……………。」
詐 「ツーツーツーツー……。」
またまたまた切りやがった詐欺夫……。
さらにトドメの追い討ちとばかりにリダイアルをしてみると……
「この電話は、電波の届かない範囲に居られるか、電源が入って………。」
ついに電源切りやがりました。
さらに駄目押しとばかりに
翌日の同じ時間帯に、詐欺夫に電話を掛けてみましたら……
「その番号からの着信は受け付けておりません。」
とのアナウンス。
個別着信拒否です。
詐欺夫……。
犯罪の片棒担ぐくらいの根性があるんなら……山田にもっとその根性を見せて欲しかった。
メールで全く同じ文章を、定型文の如く26口座……全ての金融機関に事の顛末を送信し……
今回の一件は幕を閉じました。
あ。もちろんサポートのケータイ番号も。
さて……果たしてこれで、エロサイトの広告は撲滅されるのでしょうか?
否っ!!
おしまい。