第一回口頭弁論---その5---日付 | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

第一回口頭弁論---その5---日付

2006-05-07 14:14:00


裁判官     「えー。では……原告・被告から提出された書類及び書証の詳細を確認させて頂きます。」


そう言うと裁判官は、川畑が提訴した訴状を読み始めた。


裁判官     「原告:川畑カズオ、被告:細川ヨシヒロ……請求の趣旨……

          被告は原告に対して次の金員を支払え……金額は599,550円……。」


続いて訴状 のほとんどを読み続ける。


裁判官     「これは原告の訴状に間違いありませんか?」

川畑      「はい。」

裁判官     「で……えっと……書証が甲1~3号証と3号証の原本としてカセットテープ一本。

          以上でよろしいですね。」

川畑      「はい。」


ノートを広げ、何を書くわけでもないはずなのに……ペンを握って原告席で自信満々に答える川畑。


裁判官     「では……甲1号証ですが……この写真に写っている白いネコが、被告のネコであると

          言う認識でよろしいですか?」

川畑      「はい。結構です。」

裁判官     「他の……ネコの写っていない写真なんですが……これは?」

川畑      「それは……被告のネコによって付けられた車の傷の詳細写真です。」

裁判官     「あ……そうですか……。ではこの白い平行に付いた線が

          『被告のネコが付けた傷』という認識でよろしいですか?」

川畑      「ええ……その通りです。」


無理してキリリとした顔を作って、更に自信満々で答える川畑。

だがそんな様子も無視するように裁判官は続ける。


裁判官     「甲1号証の最後のページですが……

          この地図は『この場所からこの方向に向けて撮った』という説明でよろしいですか?」

川畑      「ええ結構です。」


そう言うと裁判官は甲1号証をパラパラとめくって、眺めている。


裁判官     「えー。原告……。」

川畑      「はい。」

裁判官     「この最後の地図の右上には3月18日と日付が入っていますが……

          写真は全てこの3月18日に撮られたものですか?」

川畑      「え?……あ……はい?」


そう言うと、自身も書類の中から、甲1号証を引っ張り出して確認する。


川畑      「あ……あ……あの……これは……。」

裁判官     「書いてありますよね?」

川畑      「ああ……はい……書いてありますが……これは撮影の日付じゃなくて……

          この地図を作った日付です……。」

裁判官     「ふむ……。」


そう言うと、もう一度パラパラとめくる裁判官。


裁判官     「では、撮影した日時はいつですか?

          この写真には日付が入っていませんが……。」

川畑      「え?……あ……はい……あ……はい……ちょっと待って下さい。」


慌てて黒いカバンから、ファイルを取り出す川畑。

川畑      「え……その……写真の撮影日時ですが……。」


更に慌ててファイルをめくる川畑。


川畑      「ええと……写真1・2のネコの写真ですが……これが平成18年の3月14日。

         写真5・6の車の傷の写真も同じ日です。」

裁判官     「ふむ……。」


そう言うと書証に日付を書き込んでいる様子。


川畑      「それで、写真3・4と7・8の写真が3月8日の撮影です。」

裁判官     「3月8日と……。」


裁判官に習って、被告席の細川さんも甲1号証に日付を書き込んでいる様子。


一瞬間をおいて……。


裁判官     「写真1・2・5・6が3月14日。

          写真3・4・7・8が3月8日でよろしいですね?」


川畑に確認を取る。


川畑はもう一度、自分のファイルを確認すると……


川畑      「間違いありません。」


と自信たっぷりに一言。


……………いやね……。


言いたくないけど川畑よ……日付くらい最初から入れとけよ!!

日付の入ってない写真なんて証拠能力全く無いぞっ!!!!!

それに写真1・2の方が3・4より後に撮られてるって……どんな並び順なんだっ!!!

普通逆だろっ!!逆っ!!!!!


そしてそして……裁判官がちょっぴり助けてくれてるのに気付かないのかっ!!!!!

この大トンチキっ!!!!!






まあいい。

進めよう。


裁判官     「続いて甲2号証ですが……

          これが今回被った被害を修理した場合の費用という事ですね?」

川畑      「ええ。そうです。」

裁判官     「『見積書』となっていますが……まだ修理はされていないんですか?」

川畑      「ええ。まだ修理はしていません。」

裁判官     「なるほど……。」


この部分は随分とあっさり通り過ぎた……。


裁判官     「次いで、テープと共に提出されてる甲3号証ですが……。」


遂に来た!!

アヤノさんと川畑の電話でのやり取りだ。


果たして裁判官はこの電話記録をどう判断するのだろう……。




映画行きました……「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」

以下次号……「第一回口頭弁論---その6---書証3」