車の現状 | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

車の現状

2006-03-14 14:38:08


ニンジンとゴボウを無理矢理買わされて数分後……川畑のBMWの前に着いた。


サイドミラーから垂れ下がった雨で付着した白い水垢……。

随分クッキリだ。


そして幌の部分をいつもより丹念に眺めてみる。


あらら……。

ネコ裁判の証拠集めの時に、ユミコが気づいた 「斜め45°に20cmの傷」も健在ではないか。

……と言う事は、幌の部分は修理も交換もしていないと言う事だ。


お金が取れなければ修理しないだろうとは思っていたが、案の定である。


「貧しい……」


それは「金銭的に」と言う意味ではなく、心と考え方が「貧しい」と言う意味だ。


人それぞれ物事に対する価値観は違う。

これは仕方が無い。

生まれも違えば育ちも違う。


ましてや金銭的な価値ともなれば尚更だ。

収入に対する絶対的な必要経費……いわゆる生活費というものを取り除き、

一体幾ら余裕があるかで価値観は随分と変わる。


時に人間は、自分とは分不相応な物が欲しくなったりする物なのだ。

それが向上心と言う形で跳ね返ってくるのであれば問題が無いのだが……。


これはあくまでも自身の経験上の結論なのだが……もし分不相応な物が欲しくなった場合……

住居・車・ペット等はやめておいた方がいい。


なぜならこれらは購入時の価格以上にランニングコスト(維持費)が掛かる物だからだ。


家賃は毎月やってくるし、家のローンともなれば尚更だ。

車なんてガソリン代に車検費用……自動車保険に重量税と思った以上にお金が掛かる。

ペットの場合は一概に維持費とは言えないが……世話や手間を考えないと大変な事になるだろう。


川畑がBMWを買った事について……正直ワタシは分不相応だと思っている。


彼が一体幾らの給料を貰って……幾らを生活費に使い……幾らの貯蓄を持っていたかは

ワタシには知る由も無いが……車の修理代を裁判で請求して、取れなければ直せないのであれば

それは間違いなく「分不相応」ではないだろうか。






車のボディー部分もチェックしてみる。


相変わらず汚い。

先程述べた水垢の跡もそうだが……それ以上に車の表面も洗った様子が無い。

今年は随分と黄砂が多いと言う話なのだが、その黄砂が山盛りである。


ワタシが散歩をするようになってから今日まで「おっ!!車キレイになったじゃん」と思った事が

一度も無いと言う事は、それは即ち洗っていないと言う事だろう。


右後方に付いていたガードレールに擦った跡があった場所……。

そう……第三回口頭弁論で、川畑が「無い」と言って裁判官をキレさせた「幻の傷」はと言うと……

キレイに無くなってはいるものの……よ~~~く目を凝らして見てみると……ほんのりと跡がわかる。


写真には鮮明に写す事が出来ない程、キレイに消されてはいるのだが……

目視ならばその部分が、他とは明らかに違う事が分かるのだ。


左側の1.5cm程のエクボ状の凹みを探してみる。

これもユミコが気が付いた 部分だ。


「ん……?これは無くなっているぞ……。」


このエクボ状の傷は、確かにボディーの一部が凹んでいた。

小さな凹みとはいえ、磨いて何とかなるものでは無い状態だった。


「ココだけ直したのか?」


なんともものすごくく部分的な修復だ。


ワタシに対しては全面塗装と幌の新品交換を請求してきたと言うのに……。


このギャップには少々驚いた。


さて……残念ながら、今日も駐車場周辺にネコは発見できなかった。

探そうとしてみると見つからない……でもボケーっと歩いていると、なぜか見かける……。


昔から探し物というものはこういうものなのだろう。




もう一度八百屋の前を通るのも、なんだか少しバツが悪いので……少し遠回りをして店に戻る事にする。

あまり通らないその道の……町工場の塀の上で、真っ白なネコが昼寝をしていた。


川畑の駐車場から、さして離れていると言うわけでもないが……写真の中に駐車場とネコが一緒に

納まらないのではパンチが弱い。


ここでこのネコの写真を撮ったところで何の役にも立たないだろう……そう思い見逃した。


そう……この時は……まさかこの後、この白いネコと長くお付き合いをする事になるなんて……

本当に思いもしなかった。

                                  車の現状 イラスト:

ちょっと読んで……「広告効果」

以下次号……「ゴボウとニンジン」