2011年2月
宮島永太良作 詩画集『妙な絵物語』より「いつも大切なものを教えてくれる」

この詩は、何度か読ませて頂きました。
祝「二人展」だったかな?
気に入っている詩です。


「いつも大切なものを教えてくれる」
白い小さな帆船は、
大海をゆっくり進みながら、
今日も月の光に照らされていた。

夜の海は暗くて走りにくい。
辺りをよく注視しながら
進んで行こう。
帆船は思った。
あの月の上に行けば、
いつも明るい海ばかりなのに?
いや、そんなことはない。
月だって、太陽の光を受けて
輝いているんだ。
自分もまた、その光に照らし出されてこそ
進んで行けるんだ。

気をつけていると、
波の静かなうねりの音に、
何日かぶりで気付いた。
自分を支えてくれる波の囁きに。
まわりを見渡せば、
助けてくれる仲間がいっぱいいたんだ。

風があるから波が起こる。
波が起こるから船は進む。
進んでいるから光と影に出会う。
そして光と影は、
いつも大切なものを教えてくれる。
    (宮島永太良作「いつも大切なものを教えてくれる」)