猫木の背中押し押ししてくださった某様方に励まされ、読み返しな羞恥ぷれぃを乗り越えてみた成れの果てにございまする。

一応、今までの話↓


2話からいきなり限定行きで、いつまた再び限定行きかも不明なこのへん◯医話。
ので、なんでも来いや!な剛の者なお方はお付き合いくださいましー!!


限定話ありゆえ繋がらなかったりな事があるやもしれますので一応、アメンバーの申請について。のリンクも貼っておきますが……
ねちっこへん◯医な話ゆえ、おすすめ……致しませぬのですよ?
( ̄□ ̄;)



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まるでホテルの一室のようなシックな誂えのその部屋のベッドの上に、淡い色合いのパジャマを着た黒髪の少女が居た。
彼女ひとりだけの室内。窓の外からは陽の沈み始める寸前の柔らかで暖かな光が差していた。
ただ、そんなありふれたような日常から遠く隔離されたかのように、少女はその細い首にある首輪とベッドヘッドは銀色の細い鎖で繋がれていたのだった。




蓮のことを最初は、恐いひとだと思っていた。
キョーコを冷え冷えと見下ろしたシルバーフレームの眼鏡の奥、無機質な迄に冷たくも鋭くありありと怒りに燃えていた黒い瞳。
冷たくキョーコの懇願を拒否して叱責する低く硬い声。
また……目の前の白衣の医師にも、キョーコの存在は厭われてしまったのだと思った。
キョーコは、いつも誰からもときにあからさまに、または嫌なものから目をそらすみたいにやんわりと、だけど確実に嫌悪されるか迷惑がられるのが常だったから。だって、キョーコの母親でさえ幼い彼女の伸ばした手を乱雑に振り払い振り返りさえしてくれなかったのだ。
だから、担当医の敦賀先生にピリピリ刺々と、厳しく張り詰めた拒絶の空気を纏われてしまうのも仕方がない事なのだと。でも、ひとりでベッドから立ち上がるのさえ覚束ぬ身で登校したいだなんてキョーコのそんな無茶なワガママを医師である蓮を煩わせたのだから……せめても、と。
キョーコが小さく、けれども、確かに口にしたキョーコの非を認めた謝罪の言葉。泣くとウザがられるからと、悲しくも身に付いてしまった表面上の笑みを無理矢理に浮かべた顔で。
キョーコから顔ごと視線を横へ背けた蓮に、更に「……ごめんなさい」
そう、それだけを苦しげに搾り出すように呟いていたキョーコ。
小さく、出来る限りに小さく、まるでこの世界から消えてしまえとでも願うみたいにその細い肩を竦ませていたキョーコの黒い髪、そこに無造作にぽんっと乗せられた大きな手。
撫で撫でと、ぎこちなくも頭を撫でられる感触に茫然としたキョーコへ
「本当に心から謝罪してる子に、それ以上怒る事なんてしないよ」
と、そう諭してくれた蓮。
それからだ。たまたま、病床のサイドテーブルに教科書とノートを広げていたキョーコの間違えた部分を分かりやすく指摘して教えてくれたり、いつも白衣のポケットからチラッと覗いていたお手軽エネルギーチャージ系ゼリー飲料のゴミから聞き出した杜撰極まり無い蓮の食生活に医者の不養生だとキョーコが眉を釣り上げたりなど……そんな些細な出来事を積み上げて。
本気で怒らせると震え上がる程に恐いけど、時々小さく笑みをキョーコへ向けてくれる蓮に、揶揄うみたいな意地悪に妙にドキドキさせられたりなどしてながらも
もしかしたら……蓮に嫌われてないかもしれないと、そう思っていたのに。




あまりにも、唐突だった。
呼吸の度にぜぃぜぃと煩かった気管支の音も小さくなり、退院も近いかもねなんて話をキョーコにしてくれていたのに……
もう消灯も目前な遅い時間に、キョーコの病室へとひとりやって来た蓮。
胡散臭いがまでに秀麗な美貌で笑顔を見せていた蓮は、ふとキョーコが視線を逸らしたその瞬間に、白衣に包まれた腕を伸ばし、キョーコの鼻と口を手にしていた布を押し当てるように塞いだ。
蓮の突然の行動に目を見開いたキョーコの吸い込んだ何らかの薬品に、すぐにぐらりとキョーコの意識は暗がりへと落ちていった。
次にキョーコが目覚めた時には、もうこの部屋のベッドの上で、ぼんやりとまだ状況把握もままならないキョーコの首には既に首輪と鎖が繋がれしまっていた。
そして、キョーコのベッドに腰掛けていた蓮は
「目が覚めた?気分はどうかな?……キョーコちゃん」
と、まるで何もなかったかのように低い声で優しく問うた。
ぞくりと、震えてしまうほど綺麗な笑顔で。
思わず、僅かに怯えを見せたキョーコ。
そんなキョーコの怯えを悦ぶように、罠に掛かった憐れな獲物を弄ぶみたいに……薄く冷たく、妖しい迄に艶めいたキョーコの見たことのない笑みで嗤ってみせた。




キョーコの担当医は笑んだまま、キョーコの心をズダズダに引き裂いたのだった。




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|壁|lll´Д`)))ブルブルブル
どうしよう、恐くないかなこの敦賀さん。キョコさんがかわいそうだ。
もしかしたら次くらいにまた限定とか行きかねないけどこれ、続けてほんとに大丈夫なの……かしら?
ひょいっといろいろ端折ってでも、終わらせた方が良いのかもしれない。
| 壁 |д・)


いろいろあり得ないしお医者さんこんな暇じゃねぇよって思われますが、そこはまぁ虹ですし……へん◯医だしってことでおゆるしを。


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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