妖しいへんた医の続きですぞよ。
限定飛ばしても繋がる……のかな?
キョコさんに一通りご無体な事をねっちりしでかしただけだものね。
(^▽^;)
中途半端イヤーって方は、まぁ、この話を丸っと無視せていただければと思います。←
あと、松くんが普通に嫌なやつです。パラレルになると途端救いないほどの悪役なことの多い彼、これからもきった嫌なやつをやらされるでしょう。



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高熱に浮かされたフラつく身体に、高い熱が一目に見て取れる赤い頬と苦しげな呼吸音を鳴らす喉と止まらぬ咳。どう見たってひとりでろくに歩けもしないような、そんな現状で……キョーコは訴えたのだ「学校に行きたい」だなんてそんな事を。
医療に関わる者として許可など出来ようものか……それなのに、白衣の裾を掴んで「お願いです、どうしても…明日だけでもっ」などと咳混じりに零すキョーコ。
苛立つような怒りの感情をそのままにキョーコにぶつけてしまっていた蓮。
小動物のようにぶるぶると震え怯えるキョーコを見て、どう考えたってやり過ぎだと自分でも判る……キョーコは蓮の側に居たいが為に入院を無理矢理に引き伸ばすようなあんな患者とは違うのに…………それなのに。



腹が立って仕方がなかった。






完璧に怯えさせてしまったとそう思っていた。
命の灯火を燃やし尽くすような高熱が微熱へとやっと下がったその頃には、熱に浮かされて無茶を言った自分が悪かったのだと、そうケロリと蓮に言って恐縮しそうなほどに頭を下げてみせる素直さでもって蓮に、にこりと笑ってさえみせたキョーコ。
そんなキョーコを……それでも大人気なく感情をぶつけてしまった気まずさに素っ気なくあしらってしまう、そんならしくもないような自分を蓮は持て余し苛々としていた。
そんな時に、珍しく……これも可笑しな事ではある、だってそうであろう?
高校生のキョーコ、それなのにその保護者の母親たるや入院費は惜しげも無く振り込みはすれど、容態の連絡などにはあからさまに煩わしげに対応し……その母親はもとより級友や友人のひとりとしてお見舞いにさえやって来ることのない有様である。
そう、珍しく……入院しているキョーコの元にやって来たひとりの少年。
「コレ、やっとけよな!……ったく、まだ入院って事はコレここまで俺が取りに来なきゃなんないのかよ、めんどくせーな。」
親しげに……当たり前のように、キョーコへと横柄に吐き捨てられた言葉と乱雑にキョーコへと投げ付けられた課題らしきノート。幼なじみの少年へと取り縋るように、ペコペコと卑屈に謝るキョーコ。



おかしいじゃないか?少年への課題だろう?
何故、体調を崩したキョーコが少年の元へ完成させて持って行けない事を謝っているのか?
病室の外、盗み聞くような形になっていた蓮。
体調を労ったり快復を祈る言葉のひとつとしてなく、忌々しげな態度を微塵も隠そうとしないままキョーコの病室を出た少年。
「っち!……バイトも休んでやがるんだよな、キョーコのやつ。新しいギター、買わそうと思ってとのによぉ……」
キョーコの病室のドアが閉まり決まらぬ内に吐き捨てられた言葉。きっとキョーコの耳にだって入っているだろう。
ジャラジャラと制服の腰に付いたウォレットチェーンを鳴らしながら、立ち去っていく足音が廊下の向こうへと消えて行く。
キョーコの病室横の階段の下に隠れるように身を潜ませ、感じた事のない苦々しい感情を噛み殺していた蓮。
ノックをしてキョーコの病室へと入れば、窓に張り付くようにして立っているキョーコ。
窓の外、病室から出ていく派手に脱色された少年を待ち構えていたような女子高生が少年に腕を絡ませているのが見える。
キョーコを置き去りに、振り向きもせずに遠ざかる学生服の背中。その彼とのキョーコとの関係とを蓮の硬い声が問えば……
「ショーちゃんは………王子様…なんですよ……」
ぽつりと、零されたキョーコのそのいらえ。
安静にしてないといけないと、まだ熱と狭い器官に悩まされているその身を病床へと、医師の顔を無理矢理に貼りつけるようにして強引に寝かしつけた。




少年の後ろ姿を見るキョーコの表情に、その置いて行かれた子どものような堪らなく寂しげなのに諦めたような……それなのに、ただひたすらに縋るような瞳に。
ぞわりと湧き上がった感情、それは患者から一方的な情恋を向けられることにウンザリとしていた筈の蓮にとって、理解出来ないような………どろりとした粘着質なものだった。 


 



俺には………そんな表情を、その瞳を……向けてくれないくせに






気が付けば、いつの間にか爪が食い込む痛みを感じるほどに強く握りしめてしまっていた蓮の手。
そんな制御出来ない自分の感情に振り回されていた蓮は、その要因であるキョーコを早く自分から遠ざけてしまおうとそう考えていた………




そう、その時には。





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自覚ナッシングでも嫉妬はするのが敦賀さん☆
なんか病んでる感満載ですし、この後すっぱりと犯罪行為な拉致監禁へとひた走るお医者様なんですけど………皆様、大丈夫?引いてませんかぁー?


いちおー、ハピエンっぽい感じにはしようと思ってたりしますのよー。たぶん。
(´Д` )



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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