猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつなうるうるの彼。 の、蓮さん視点なものとなっております。


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キョーコちゃんがおかしい。
だって、ありえないくらいにかわいくてかわいくてかわいいんだ。



眠るキョーコちゃんの後頭部を撫でたいなぁ、なんて思いながら眺めてたんだ。
でも、触れてしまって腕に乗った幸せな重みとあたたかさがいなくなってしまったら嫌で、でも触れたくて………
そんな時に彼女の頭がゴロンと振り向いてくれて、寝起きのちょっと油断したみたいな顔がまたかわいらしかったから、嬉しくなって顔がニヤけるのが自分でも解った。
きょとんとした顔の彼女がかわいくて、つい「かわいい」なんてそのままな言葉が口から出て、ぎゅーっと力いっぱいに抱きしめてた。
かぁっと赤くなった彼女は、しばらくするとわたわたと慌てだしたんだ。



彼女のベッドの上彼女の香りのする枕を抱きしめて、むぅっと不満に唇を尖らせていた。
腕の中から愛しいキョーコちゃんがいなくなってしまった。
離すのが嫌で、慌てた様子でベッドを抜け出していくのを絡め取ろうとしては叱られ、寝室を出て行こうとするのに着いて行こうとすると「はっ!はははは破廉恥ですぅぅ~!!」なんて真っ赤な顔で叫ばれてシーツの中に押し込まれた上、絶対に追いかけて来ないでくださいなんて厳命されてしまった。
不貞腐れつつベッドの中で待っていると、ピンクのボーダーのモコモコした部屋着を着て、少しぎこちなくよちよちと歩くかわいい彼女が洋服を抱えて戻って来てくれた。
「さぁ、これを着てください。」
と、渡されたのはどう見ても男物のスエットの上下にTシャツと………ボクサーパンツ。
「………ねぇ、これ誰の?」
思わず低い声で詰問してしまって、「ひぃぃぃぃ!」と彼女をガタガタと怯えさせてしまった。けど、一人暮らしのキョーコちゃんのうちに男物の下.着を置いておくなんてそんな仲の男の存在なんて許せるわけないだろ?
震えながらもキョーコちゃんが服を持ってる訳を教えてくれたけど………父さん?俺より先に彼女の自宅に私物(しかも、下.着だ!)を置いてもらうなんて………と、思わず海の向こうにいる父を、ほにゃりと嬉しげにかわいらしく語るキョーコちゃんを横目に恨めしげに思ってしまう。
………今度、絶対に俺も服とか持って来よう。着替えに下.着はもちろんパジャマ、あとは歯ブラシなんていいかも………
もちろん、俺の家にもキョーコちゃん用のものを一揃いは用意してしまおう。
なんてそんな事をひとり心に決めていた。



「敦賀さんっ!あなたは今、熱があるんですっ!!」
そう宣告しながら突きつけられた体温計。
無理矢理に押し込められたベッドの中。
「体調が悪いのに無理してお酒なんて飲まれるから………」
ぐちぐちと落ちてくるお説教に、少し不安になった。
あまりにも普段と変化のない彼女。
ちょっと強引だった自覚はあるけど、本気の本気で抵抗されてしまえば彼女に無理強いなど出来るはずもなく………予想外にすんなりと身を委ねてくれた幸せな夜を超えたふたりのはじめての朝………なのに、甘い空気にしてくれないキョーコちゃん。
彼女の中で、今俺はどんな立場に立っているんだろう?
「……看病してくれるの?帰れって言わない?」
それが例え彼女のお人好しな優しさからでもここから追い出されないって事は、彼女の中から存在を抹消されてないって事でいいんだよな?なんて不安に思いながらも彼女を見上げると、あまりにもかわいらしく頬をピンク色に染めるから期待に胸が高鳴る。
どうせ看病されるなら、この機を逃さずにとことんなまでに甘えてしまおうなんてそんな事さえも企んでしまう。
離れたくなくて「行っちゃ、やだ。」と駄々を捏ねても、お粥を作ってくれた彼女に「食べさせて?」と強請っても、かわいらしく頬を染めて気の所為か嬉しそうに俺を甘やかしてくれる。
それが、嬉しくて………



あたたかくて美味しいお粥が胃を満たしていたからか、気が付けばウトウトと眠り込んでしまっていたらしい。
起きた時には彼女の寝室にひとりで………それが寂しくて、彼女を探してぽてぽてと寝室から抜け出して、キッチンの流し台で洗い物をしながら何か考えに耽っているキョーコちゃんを見つけた。
キョーコちゃんは
「もう、なにあれ?かわいーんですけど!!いつもあんなに大人っぽくてかっこいいのに、あんなにかわいく甘えられたりなんてしちゃったら………全力で甘やかしてやろうか!!って、なっちゃうじゃない!!………ズルい。………私だけのものじゃないくせに………でも、あんな熱でうりゅうりゅした瞳で見られたら、断ることなんて出来ないよぅ………」
ぽそぽそとそんな事を零す。
熱で頭が茹だってるせいかな?キョーコちゃんが俺に独占欲を持ってくれてるって………そんな風に聞こえる。
私だけのものじゃないとか聞き捨てならない事も言っていたけど………


ふぅぅん………イイ事を聞いた。


ニヤリと唇が歪むのを感じる。
どうせ、キョーコちゃんを腕に抱けた喜びで脳がオーバーヒートしただけの……今だけの知恵熱みたいなそんな発熱だ。
利用して利用して利用しまくって………キョーコちゃんに『YES』と頷かせてしまおう。
言質を取ればこっちのもの………逃げ道なんて全て塞いで、外堀も埋めに埋めてやって………彼女のその存在をまるっと全部、俺に絡め取ってやろう。
そう目論むと、よたっとわざと足音を立てキッチンのキョーコちゃんのもとへと歩いていく。





さて、出来る限りにかわいらしく『うりゅうりゅ』に強請ってあげるからね?




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↓拍手ボタンコメントにて、名前のないお嬢さん方に、キョコ視点を蓮視点に、蓮視点をキョコ視点に変えたら、この変なシリーズが100話行くねって言われて
オチ変わらないから面白くないだろうっと猫木がポロっと言ってみたものに………
オチが同じでも別視点を読んでみたいと言う奇特な方がいらっしゃったので、どれを??って聞いてみた時のお答えが
うりゅうりゅ、秘める、暴く、四月馬鹿とのリクエストよりぽちぽちと書いてみたものとなります。


た、楽しい?同じ話の別視点って、楽しい?(´Д` )?
猫木にはよくわかりゃせんでありますの。
楽しいなら、他のも書みたりするかもしれやせんけんども………
どなのかしらね?
(°Д°;≡°Д°;)



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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