猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつ落涙の私。の続きとなっております。


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目が覚めた時に見えたのは、震える小さな白い背中。
小さく小さく縮こまって、声を殺して泣いている君。



昨日の夜、抱き寄せた細い身体。
アルコールの香りのキス。
涙に濡れた瞳と震える唇。
縋り付くみたいな白い指。
戸惑ってはいたけど……拒まれていないと、拒絶を感じなかったと思ってしまったのは、それは俺の勝手な願望だったんだろうか………
俺は……俺が、彼女を傷付けた
目の前が絶望で真っ黒く塗りつぶされていくようで、胸が苦しい。



君を傷付けたのなら………
せめて、君の望む報いを
「最上さん?」
恐る恐るに彼女を呼ぶ。
大きく震える背中に力が入っているのがわかる。
顔を埋めたシーツからくぐもった嗚咽が漏れる。
「………身体、辛い?」
優しくはしたつもりでも、細身の身体。どれほどの負担と痛みだっただろう。
シーツに埋まったまま、小さく左右に振られる彼女の頭とシーツの隙間から引きつったみたいに苦しげな嗚咽が聞こえて
「泣かないで………」
小さく身を強張らせ震えて泣く君が苦しそうで辛そうで………無意識に抱き寄せようと伸ばした腕は
「さわらないでっ!!」
彼女の手に打たれ、触れる事を強く拒まれた。
涙に濡れてくしゃくしゃに歪んだ顔。
「そんなに………嫌、だった?」
報いを受ける覚悟を決めたつもりだったのに、いざ拒絶の反応をされると我ながらみっともないほどに震える声で縋ってしまっていた。
その声に、ビクッと肩を震えてブンブンと大きく頭を振る。ぎゅっと眉間にしわを寄せて眉を下げて苦しいと辛いのだと泣いている。
違うのだと訴えるようにふるふると首が振られる度に最上さんの零した涙が散る。
もう一度、彼女へと腕を伸ばせばそれを嫌がっていざる様に背後へと下がる。
それでも………伸ばした腕


「さわらないで………私だけのものじゃないくせにっ!」


こぼれた彼女の本音。
その意味を理解した瞬間にはもう彼女の身体を無理矢理に強く抱き締めてしまっていた。




ぎゅうぎゅうに強く抱き締めた腕の中、嫌だと離せと俺の胸を押し身を捩る愛しいひと。
「だめ……もう離してあげない。私だけのものじゃないくせにって事は、俺が君だけのものなら触れても許されるって事だよね?……俺の全部、君にあげるよ。」
腕の中でじたじたと暴れていた最上さんの動きがぴたっととまる。
「どうしたら信じてくれる?法律で縛って貰おうか?首輪と鎖でもつける?一目見てわかる様に『キョーコのもの』って顔に背中に、至るところに書いてようか?」
なんでもする、信じてもらえるならなんでもしてあげるよ?
だけど、まぁるく見開かれた濡れた瞳が信じられないと俺を見上げている。
「この前、ドラマの撮影で見たけど『差し押さえ』とか『売約済み』ってあのシールべたべた貼り付けるのも面白いかもね?」
ふるふると右に左に小さく振られる栗色の髪。
「もうとっくの昔から、最上さんに陥落しきってメロメロに首ったけで溺れきってるんだよ?」
否定するその動きをとめてやろうと、愛しい彼女のおでこにくちづけを落とす。
「君のものになれるなんてそんな幸せ………逃すわけないだろ?」





やっと君を捕まえたこの腕、2度と離すつもりはないから覚悟してね?




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↓拍手コメにてかほ様から頂いたネタ

意外とフツーの女の子みたいに泣いちゃうキョコたんと、屁理屈で正当化しちゃう蓮さんか、おろおろと一生懸命慰める蓮さん。」

よりぽちぽちと………あれ?フツーの女の子?号泣してますがな、キョコさん。
屁理屈?おろおろ?もしてないし、慰めてなかとね。
おっかしぃなぁ、どうしてこうなったのかしら?
(´Д` )


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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