猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


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この胸の内だけでこっそりとあなたを想う………それだけで、地獄行き。
なら、今ここにある罪の対価はどれほどの罰になる?



ベッドの上、上半身を起こす。
彼方此方に走る痛みと違和感を噛み殺して、隣に眠るひとを見下ろす。
無防備にスヤスヤと眠る彼。薄っすらと開いた口もとがなんだか子どもみたい。
よくわからないうちにこんな事になってしまったけれど………敦賀さんと私の関係は変わってしまうの?
それも、よくわからないまま。
私がお子さまだからなのかな?
………言わなくてもわかるだろうって、お約束的なそんなものもわからないんだもん。
どうしたらいいんですか?
どんな私なら貴方のそばにいれますか?
そんな事を考えていたら………眠る彼が呼んだの。
「キョーコちゃん」
って、大事そうに愛しそうに。






耐えらなかった。痛い、痛い、悲しい。
胸が張り裂けてしまいそうに痛かった。
泣き叫んでしまわないように必死に唇を噛んで、声を殺す。
ぼろぼろと溢れて止まらない涙で視界が滲んでよく見えない。


泣いたりなんてしても、困らせてしまうだけだって………
わかってたのに……私の手の届かないひとだって、私のものになんてならないひとだって……わかってたのに、なんて馬鹿な私。
そばになんて………いれるわけなどない。
一途にずっとただひとりの女の子をその胸で想い続けるひと。
きっと一夜のあやまちを………私を抱いた事を、悔いるだろう。傷にするのでしょう?
めだまが溶けちゃったみたいに涙がとまらない。
泣いて、泣いて、泣いて………
どうしても止めることが出来ない涙。
シーツに窒息しそうな程に顔を押し付けて、横に眠るひとを起こさないように、気付かれぬように………そう願っていたのに



「最上さん?」
少し掠れた、低い声。
力いっぱいに両手を握り込んで堪えようとするけど、敦賀さんに向けた背中が大きく震えるのがわかる。
なんでもないのだと、大丈夫なのだと告げたくて息を吸えば、喉が引きつったみたいな嗚咽が溢れる。
最悪で最低。
泣いてるって丸わかりじゃない。見せつけて、それでどうなるというの?ただ、より一層に疎まれて厭われて………優しい彼の負担になるだけなのに。
「………身体、辛い?」
ふわっと空間が動いて敦賀さんが身を起こして私を覗き込むようにしているんだと感じる。
ぐずぐずとなる鼻が忌々しいと思う私に出来たのは、ただ、シーツに埋めた頭を左右に振る事だけ。
平気だから、大丈夫だから……どうかお願いです、このまま捨て置いて。
「泣かないで………」
伸ばされた引き締まった長い腕。
優しい残酷なひとが私を抱き寄せようとしている………




「さわらないでっ!!」




どうしようもなくて。
シーツから顔をあげた私は、伸ばされたその腕を、拒絶し叩き落とした。

 


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なんか思ったのと違った方向に突っ走ってしまっております。
どーする気なんでしょう?


一応、二本立てで次で終わる予定となっております。←まだ、書いてないけれども。
((((;゚Д゚)))))))



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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