猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。reverseから派生する番外編的な続きのひとつとなっております。


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「ふにゃ………んむぅ。」
そんな、かわいい声をあげてもぞもぞとしている君の髪が胸をくすぐる。
もうほんとこれ以上俺の心臓にギチギチとねじ上げるみたいな負担を掛けてくるのやめてくれませんかね?お嬢さん………なんて頭の中で語ってしまいそうな程に可愛らしい生き物が寝ている。
無防備に俺の腕の中で。


目覚めの兆候を見せていた愛しい彼女は、ぐにぐにと頭を動かして据わりのいい場所を探すと、また深い眠りに落ちていってしまったみたいだった。
きっと、昨夜の疲れが彼女を眠りに捕らえているんだろう。
いとけない寝顔の頬に微かな涙の跡。
胸が酷く痛んだ。ダメだ、どうしようもなくかわいくって愛しい。
でも………この腕の中の幸せは、もしかしたら君が起きるまでの儚い幻みたいなものなのかもしれない。
最後の最後にぎりぎり残った理性で同意は取り付けたと………思うけれど、酔った俺の…尊敬する先輩の暴挙をただ止めることが出来なくて勢いに飲まれただけなのかもしれない。
メルヘンチックな彼女の夢見るような雰囲気もムードもあったもんじゃなかったし………


君が起きたら、ちゃんともう一度しっかり気持ちを告げよう。君に届くまで何度も何度でだって
だから、お願いだ………君の中から俺の存在を消してしまわないで?
そんな願望を込めて眠る彼女のひたいにくちづけを贈る。
「んにゅ………りゅがしゃん………」
ふにふにと彼女の唇が動いた。
「寝言?………もしかして、俺を呼んでくれてるの?」
「つるがさ…ん………るがさん」
愛しい声が優しく何度も呼んでくれている。
「うん、ありがとう……キョーコちゃん」
ほわりと胸があたたかいような、そんな幸せを俺にくれる奇跡のような女の子。
起こさぬようにそっと抱き寄せる。
「ん……ふふ~、つるがしゃんは…キョーコの王子様なんでしゅよ~」
ふにゃりと、そう幸せそうに笑った彼女が言ったんだ。………えっと、もしかして俺、まだ寝てる?
「つるがさん、つるがさん………んふふ、いい匂~い」
そう言ってグイグイと頭を胸に擦り付けてくる。
駄目だ、夢ならどうか覚めないでくれ!
「俺が………王子様で、いいの?キョーコ」
「んぅぅ…キョーコの王子様は………つるがさんだけですよぅ?………だいしゅき!」
あぁ、もう、本当にこの娘は!!
顔が、耳が燃えるように熱い。きっと、おもしろいくらい真っ赤になってるに違いない。
「俺も、大好きだよ。ね、俺が王子様ならお姫様はキスで起きてくれるんだよね?」
眠る君も、もうほんとどうしようもないくらいにかわいいけど………ちゃんと君の目を見て告白したい。
だから、ねぇ?



薔薇の花もガラスの靴もなんにもないけど、嫌って程の愛の言葉とキスを贈るから………
眠る君にくちづけを








起きない。
啄むみたいなキスをしても
ふにふにとその唇を食むようにしても
強く唇を押し付けて擦り合わせても
軽く吸ってみたって
起きやしない。
「ん……はっ……ぁん」
なんてそんな鼻に抜けるかわいらしいのに俺の身体を熱くするみたいな気持ち良さそうな声をあげるだけ。
なのに、誘うみたいに薄っすらと唇を開いたりなんてするから………
「んむ………むがっ??………あむ!?」



絵本の中には書けないような………大人の深いくちづけになってしまったのも仕方がないとそう思わないか?




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んー?
コメントで頂いたネタをねりねりしていたつもりが………なんでだろ?逆パターンのがさらっと出て来た。(^▽^;)


そして、最初は「眠る君にくちづけを」でかわいらしく終わる予定だったのになぁ?
やっぱり、猫木のとこの蓮さんはどこかしらケダモノ。笑


あと、何故か「忘却を願う私。」から更に分岐するようなのも思い浮かんでる。(ただし、裏。)
なんでこんな朝ばっか思いつくのかねぇ?
(´Д` )


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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