猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。reverseから派生する番外編的な続きのひとつとなっております。


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彼女の睫毛が震えている。きっと、もうすぐ………
と、そこでぱちりと目が開いた……俺の。




え?
夢………だったのか?
彼女の唇の甘さも、やわらかな身体も、すがりつくみたいに俺の背中に立てられたあの爪の泣きたくなるみたいな愛しいさも?
全部、都合のいい俺の願望が見せた夢?
そう思って部屋を見渡すと、そこは彼女の趣味のキラキラしたかわいらしい小物に飾られたうっすらと見覚えのある部屋。
はっと横を見れば………少し寝乱れた気配だけ残したしたシーツの上には、誰もいなかった。それでも、なにかを探るように手を伸ばしてみるけれど感じるのはひんやりとしたその感触で。
「………最上さん?」
少し迷ってから、結局いつも通りの呼び方で彼女を呼んでみた。だけど返って来るのは、どこまでも人の気配のない沈黙だけ。
のそのそとベッドの下に転がっていた昨日の俺のパンツとシャツを拾ってザックリと身に付ける。
そのまま彼女を探して寝室を抜け出した先、リビングで昨日はソファーの横に置かれていた彼女の鞄も、急いでましたといわんがばかりにバラけたスリッパを残す玄関にも彼女が昨日履いていた銀色のパンプスはなくなっていて。
そして、彼女本人もどこにもいなかった。
こっそりと把握している君のスケジュールでは、今日はオフの筈なのに。
待てど暮らせど俺ひとり残された部屋。


逃げられた。
そう理解すれば、ありありと焦るみたいに急いで、でも俺を決して起こさぬようにひっそりこっそりと君がこのオートロックのこの部屋に感謝しながら抜け出して逃げて行くさまが目に浮かぶようだ。
「ふぅーん、そう。そうなんだ………俺と向かい合う事もしてくれないまま逃げるんだ?逃げるキョーコを捕まえるのも楽しそうだけど………どうしてやろうか?」
さてと、これから先の計略を廻らせながらクククッと喉が鳴る。その音だけがぽつんと部屋に落ちていた。






 いやぁ、ちょうど俺も今日が久しぶりのオフで助かった。
そんな事を考えながら、部屋を出る前に振り返る。
さっぱりと、実に清々しく小物の類から大型家具や生活必須の電化製品もすべてを含め、なにひとつチリさえ残さず根こそぎになくなった部屋を。
もしものために………いつか君に渡せたりしたらいいのにと持っていたスペアキーを、その空っぽの部屋にわかりやすいように置いてあげる。
口端を吊り上げるみたいに笑って彼女の部屋を出た。





何もかも、この部屋にあった一切合切をそっくりそのまま運び込んだ俺の自宅へと帰るべく。
もちろん、来るよねキョーコ?
君の宝物のコーンもプリンセスローザも大事に大事にしまいこんであげてるし、うっすらと背中が寒くなるくらいなレベルのたくさんの俺人形も、キョーコの純潔の証しで染まったシーツも全部全部、持っていってあげるからね。




あぁ、楽しみだな。
俺の部屋で君が来るのを待ってるよ。





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昨夜飴さんのなうで、ゆるるく様と遊んでもらってる時に思い浮かんだ妄想にございます。
蓮さんが、普通に犯罪者だ。怖くね?
(´Д` )
猫木は結構楽しく書いてるけど、こんなん読むの楽しいのかしら?
逃げるキョコさんネタだけで、もう2本くらい書けそうなんだけど………どうなんだろうね?
そんな朝ばっかでいいのかしら?


今日は出張。帰りの移動の間にミニマムの続き書けたらいいなー。



↓の拍手コメでこの変なシリーズの続きを楽しみにしてるからがんばれと励ましてくださいました、葉月様、N様ありがとうございます!!
がんばります、たぶん。


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