猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。reverseから派生する番外編的な続きのひとつとなっております。


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本当に、このかわいい生き物は………どうしてくれよう?


もぞもぞぐいぐいと愛しい彼女がその明るい栗色の髪の頭を俺の胸に擦り付けるみたいにしてくる。
俺の混乱した頭の中なんて知らぬげに………まぁ、自分で蒔いた種なんだけど。いっそこのまま目も覚まさないままずっとずっと彼女を抱いて眠ってしまっていたいとさえ思う。
だけど、現実は非情なもので彼女の睫毛が幾度か震えると、彼女が目を覚ました。
そして言ったんだ。
「敦賀さんなんて……嫌い。」
そんな俺の世界の天地をひっくり返すひと言を。





目覚めたばかりの彼女はきっと昨日の夜の疲れもあってだろう、まだうっすらと眠りの気配を漂わせたままどこかぼんやりとしているみたいだった。
俺は、とりあえず彼女を脅えさせないようにいつも通りの顔を必死で取り繕いながら「おはよう」と、無難に声をかけてみた。
昨晩だって、手順とか順序もすっ飛ばしてムードも雰囲気もないままに進めてしまったけど、彼女が本気で嫌がる事は……… してないつもりだ。最後の最後のギリギリの理性で「いい?」って聞いた俺に、彼女は小さく小さく頷いてくれたんだ。
だけど、それでも………
彼女の瞳が拒絶の色に変わってしまうんじゃないかって恐怖を抱えながら。


目覚めた彼女は、あの、致命的に俺を骨抜きにしてしまうかわいらしい笑顔で笑いながら「敦賀さんなんて、嫌いです。」と、心臓が凍りついてしまいそうにショッキングな事を言って、ぎゅぅと俺にだきついてきてくれて………
耳から入ってきた言葉と身体に感じる幸せの落差にパニックに陥ってる俺を置き去りに、彼女はすりすりと懐くみたいに俺の胸にそのやわらかな頬を擦り付けていた。
「敦賀さんはほんとにいじめっ子なんだから……人が必死に鍵を掛けてしまい込んでるのに鍵を壊すだけじゃなくて、すぐこうやって箱まで壊そうとするんですね。」
鍵?箱?なんのことだ?と、これまた俺の混乱に拍車をかけるような事をふにゃふにゃと言う。
「もう恋愛なんて毒感情に頭をいっぱいになんてしたくないのに……だめなんですよ?こんな夢に出てきちゃ。また好きになっちゃうじゃないですか。」
と、まだ夢の中にいるつもりらしい彼女が言った。


俺の中のどこかで『ぷちん』とそんな音を立てて、何かが切れた気がした。




それから、俺が彼女を目覚めさせた方法はとても紳士的とはいえないモノになってしまったけど………仕方がないよね。
君がかわい過ぎるのが悪いよ、キョーコ?




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と、ここまで書いて気が付いたんだけど………あれ?これ、いろんな敦賀さんじゃなくて、いろんなキョーコちゃんを書いてみよう。になるよね?
(´Д` )
ダメじゃね?
新しく進む方向性が見えて、また何本か書けるかと思ったのになぁ。


なぜにか、なかなかに人気のあるらしいこのシリーズ………ネタ不足に悩んでおります。
なんかないかなー?



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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