猫木の短文今夜ディナーにたまねぎを。に、お素敵サイト『狭間に在る東屋』のゆるるく様より頂きました「キョコさん番組企画でデビュー」なコメントに妄想スイッチが入ってしまってぽちぽちと勢いで書いた駄文をテロ的に捧げて置き逃げしたものとなっております。
キョコちゃんのアイドルなたまねぎ風衣装とかもう、猫木の妄想スイッチを連打していただきました!
ありがとうございます!
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キョーコちゃんがブレイクした。


予想外の方向で。
美緒やナツなんかの個性的な役所を魅せるキョーコちゃんはブレイクしかかっていたと言っても過言じゃなかった。
そんなキョーコちゃんは、出演する番組の企画で歌手としてデビューしちゃったのだった。
キョーコちゃんの歌う『たまねぎ』は、ポップな曲調に泣いて赤くなった目をたまねぎのせいにする歌詞がかわいらしいけど切ない失恋ソング。
シェルピンクのふわふわシフォン透け感のある茶色のグラデーションもかわいらしいふりふりバルーンなたまねぎワンピースを着て、歌い踊るキョーコちゃんはそりゃかわいらしく。孫みたいにかわいいと言うお年寄り世代から若年層からアイドル好きや振り付けを真似て踊るちびっ子までの幅広い年代層から大人気になってしまった。


蓮も最初はアイドル衣装のキョーコちゃんに会って「最上さん、かわいいね」「はい!敦賀さん、かわいい衣装ですよね~♡」と、にっこりなハニースマイルにぐらぐらしてるくらいだった。
その辺りまでは、俺もそんな担当俳優をからかって遊ぶというスリルある癒しもあった。



けど、キョーコちゃんの人気は留まるところを知らずに一大センセーショナルな社会現象になってしまった。
人気歌手兼タレント兼女優と人気俳優………活躍の場も違い、お互いがぎちぎちに忙しいとなれば必然出会うチャンスも減る。
テレビや雑誌に至る所にキョーコちゃんがいるのにすれ違えもしない生活に………蓮はどんどんおかしくなっていった。
まず、携帯の着信音がキョーコちゃんの『たまねぎ』に変わった。これは、まぁ、「同じ事務所のかわいい後輩なんですよ。」と言って笑って誤魔化せる範囲で(でも、敦賀蓮の商品イメージとしてはやめて欲しかった。)、さらにこの頃から移動の車の中ではえんえんと『たまねぎ』がぐるぐるぐるぐるヘビロテしていて。でもせめて、車の中だけにしてくれと音量の調整に気を使うぐらいで済んだ。



さらに衰えないキョーコちゃんの人気はますます鰻登りで。
オリコンでナンバー1を取り話題もかっ攫った。(アカトキレコードで仁王像だか阿修羅像だかが見つかったらしい)
コラボ商品が出て、そのコマーシャルが流れる。
「京子のたまねぎカレー、コクうまで美味しいよ?食べてくれないと、京子泣いちゃう☆京子のたまねぎカレーを買って応募してくれたひとには、京子のたまねぎストラップ当たるよ!」
それを見て速攻で携帯を操作しだす蓮。嫌な予感に何をしてるのか聞けば
「最上さんが食べないと泣くって言うんですよ?だからとりあえず20ほど箱で注文を………あぁ、でも最上さんのストラップが当たるからもう少し買い足しましょうか。」
なんて恐ろしい事を言い出すしまつ。そんなのがコラボ商品の度にだ!蓮の無駄な経済力に頭が痛くなる。
そんな楽屋のテレビからはキョーコちゃんの歌声。
それに合わせてリズムを取る蓮の革靴。
「蓮………………もしかして、お前キョーコちゃんの『たまねぎ』ダンス踊れる?」
恐る恐る聞けば
「踊れますよ、2番まで完璧に。だって、最上さんが一緒に踊ろうって言うんですよ?」
事も無げに返された。



こんな敦賀蓮なんて誰にも見られてはいけない!知られてはいけない!!
胃が………胃が、痛い。
『たすけて、たまねぎ~♪』
テレビの中でキョーコちゃんが歌う。




いや、ほんと、たすけて!キョーコちゃんっ!!