タミフル量産、東大と中国企業が共同研究
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100220-OYT1T01262.htm
 東京大学と中国の化学企業が、インフルエンザ治療薬タミフルを安く大量に生産する技術の確立を目指し、共同研究を始めた。

 タミフルは、香辛料の八角に含まれるシキミ酸を原料に作られているが、大量製造には限界がある。東大の柴崎正勝教授らは昨年2月、石油を原料にした新合成法を発表。技術に注目した中国の北京オデッセイ化学が、技術提供を求めた。

 同社の大平原孝・副社長によれば、人口13億人の中国でタミフルの流通量は少なく、強毒性インフルエンザが大流行すれば、不足は必至。治療薬の自国製造を急ぐ中国政府の科学技術部が、提携を強く後押しした。1月から、同社の技術者が東大で製造法を学んでおり、今年中に工業化のめどをつける見通し。

 タミフルの特許は、スイスのロシュ社が所有しており、中国でも成立している。だが、中国政府は昨年、改正特許法を施行。国民の健康を守る必要がある場合、特許を停止し、医薬品を製造できる「強制実施権」を盛り込んだ。

 柴崎教授は「感染症に国境はない。中国で治療薬を供給することは、日本への感染拡大を防ぐ効果もある」と話している。 
(2010年2月21日12時35分 読売新聞)

 …柴崎先生その志は立派ですけれど、相手見てから言いましょうよ…中国国内で強毒性のインフルやパンデミックが発生した場合、中共がその事実を公表して国民にタミフルを配布したりするのか、かなり疑問なのですが。

 それはともかく、なんか恐れていた事態が現実化してきたって感じでちょっと鬱入ってます。
 民主党政権成立以来、これまで大学などの研究機関へと与えられてきた助成金が、ゴリゴリ削られているのは皆様先刻ご承知の通り。そういう体力を失っている時期に、研究資金片手に共同研究を持ちかけられてきたら、後先考えずに飛びついてしまうような研究者が居ないとは断言できません。また、今回の件は中国政府が後押ししている事も併せて考えますと、当然の事ながら政府を通しての交渉もあったでしょうし、それを大学側が跳ね除けられるとも考えられないんですよね。さらに、大学の中の人には柴崎教授のように善意に不足してない人が多いとも聞きます。
 研究費に対する助成金の削減と、外部からの資金援助、中国政府からの要請、そして政府からの圧力…これら全てを併せますと、なーんか嫌な絵が見えてきませんか?
 もちろん、ここまでに書いてある事は状況から思いついた、あたいの妄想ではあります。杞憂だといいんですけどね…

 この件が氷山の一角だった、なんて事にならないのを祈ります。


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