数日前に床屋スレで外電さんが訳したものうpしてたの、面白かったので掲載。ただし、そのまんま転載というのもなんとなく嫌なので(こーいうブログですし)、あたいなりに訳してみました。
 ちなみに、スレは落ちてるかもしれませんが、とてつもなく日本さんに転載されてましたので、読み比べてあたいの訳文の拙さを笑っていただければ幸い。あの人、記事の収集能力も翻訳能力も高くて羨ましい…orz

Tokyo smackdown
日本政府のお灸

10月23日金曜日午後1時32分

By Michael J. Green

 世論調査に於いて、日本を合衆国の最も信頼できる同盟国の一つであると、アメリカ人は評価している──大抵の場合、英国やカナダ、オーストラリアに次ぐものではあるが。ジョージ・W・ブッシュ大統領と小泉純一郎首相の結びつきは特に密接なものであり、小泉氏の後継者である安倍晋三氏は近年の日米関係をしばしば『黄金時代』と表現している。
 そのため、ロバート・ゲーツ国防長官と日本の新たな首相である鳩山由紀夫氏との間で行われた、在日米軍基地問題と日米同盟の将来についての舌戦が記載された10月22日のトップ記事は、ワシントンポストとニューヨークタイムズの読者にちょっとした驚きをもって迎えられた。

 鳩山氏は一ヶ月前、アフガニスタンに於ける共同作戦から日本の給油船を撤退させると誓った上で首相職に就任した。また、沖縄の米軍再編に関する日米合意に反対し、1950年代と60年代にまで遡る核兵器に関する日米密約について調査し、そして合衆国を排除した、新たな『東アジア共同体』を設立する事により、日本の独立性を高めるとも述べている。
 今週、日本に伝えられたゲーツ氏のメッセージは、オバマ政権は以前の基地合意について再交渉する意思がなく、日本の新政権には同盟の支持を求めるという、現実的な物であった。それに対する鳩山氏の返答は、11月11日にオバマ大統領来日を控えているが、そのために結論を急ぐ事はないという大胆(defiant)なものだった。しかし、伝えられたゲーツ氏の厳しい姿勢は、鳩山氏率いる民主党を震撼させている。

 日米関係の『黄金時代』とはその程度の物だったのだろうか。

 多くの対日政策専門家は、日本の新政権が方針について理解する時間を与えるため、オバマ政権に忍耐強くあるよう主張している。また、専門家の幾人かは、日本との間に『無用な』危機を引き起こすなと、自身のブログサイトでゲーツ氏を非難している。
 確かに、鳩山政権に対し、穏健な姿勢で働きかけを行うだけの正当な理由が存在していた。
 経済危機と保守的な自由民主党の不人気によって、民主党は地滑り的勝利を手中に収めた──有権者は日米同盟に対する不支持(日本政府による最新の世論調査で、76%の支持を受けている)を表明しているわけではなく、外交政策の変更(出口調査によれば、この問題を争点とした有権者は、僅か3%だとされている)を望んだわけでもない。さらに民主党の主目的は、富の再配分を更に推し進める経済政策によって、初の重大な試練となる夏の参院選で、自民党から議席を奪い取る事にある。
 そもそも、民主党は酷い分裂の危険性を内包しているため、外交問題や防衛に政治的能力を費やす事にはほとんど関心がない。したがって、民主党は権力を握った後、防衛政策とは極端に遠い現在の位置から移動を始めると思われる──ちょうど、オバマ政権がそうしたように。
 穏健な態度は、鳩山氏の方針変更に『面目』を与える事になるだろう。

 しかし、鳩山政権が中道政策へと移行する事が不可能になった事が──あるいは、そのつもりがない事が──、ますます明らかな物となっている。
 連立パートナーである社民党が強力すぎる支配力を発揮してしまった結果、現実的な政策方針を採用する事によって、党が分裂を始めるのではないかと鳩山氏は恐れている。そして、オバマ氏の『核のない世界』という理想主義的ビジョンに迂闊にも飛びついた結果、ワシントンの柔軟方針を、日本国内の政治目的のために合衆国に平手打ちし続けて構わないサインであると民主党は解釈してしまった。

 沖縄の基地問題について、鳩山氏は来年(恐らくは参院選後)まで結論を先延ばしにすると語っている。しかし、彼の動揺は沖縄基地問題に対する反対論者を増やすだけであり、協定の破綻を引き起こすであろう──最終的に鳩山氏がどう結論するかに関係無く。
 検討不足が否めない東アジア共同体というアイデアは、オバマ政権にとって不都合な物であり、中国人と韓国人を当惑させる物ではあるが、同時に合衆国がアジアに於いて最も親密な同盟国を必要とした際に、それが助けにならないとする信号をアジア地域へと送る事になるだろう。
 合衆国は1991年以来、戦術核をアジア地域に配備していなかったため、核密約に関する調査は最終的に大した物は出てこないかもしれない。しかし、政府と合衆国の間に交わされた過去の協定を『調査』するために外部の識者によって設立された特別委員会は、従来の同盟担当者に対する外務省内部での魔女狩りへと変貌を遂げる可能性がある。

 大統領の訪日を一ヶ月以内に控え、ゲーツ氏には民主党に冷水を浴びせるくらいしか出来なかった。現在、常にポピュリストとして振舞ってきた民主党が、来年の選挙で票を集めるために合衆国との舌戦を利用する危険性が存在している。しかし、ゲーツ氏は相手との交渉にあたり抜け目のない男でもある。特に日米同盟が国民の強い支持を受けており、北朝鮮と中国の脅威が増大する昨今、同盟の危機が民主党を割り、メディアの多くが鳩山氏の敵に回るであろう事を彼は理解している。 
 一方で鳩山氏は、ダイナマイトでぎっしりの火薬庫で民主党幹部が爆竹(firecrackers)を弄ぶ事を許容し、同盟を迷走させる事によって、大きな危険を背負い込もうとしている。

 全体的に見て、今年は対日同盟担当者にとって辛い年になると言える。しかし、将来は悲観したものではない。来年に予定されている参議院選挙によって、社民党は連立から追い出され、民主党が中道路線に移行する事が許される状況となるだろう。
 新世代の民主党幹部は世界にとってより有益な日本の役割を望み、自衛隊を用いる事や、中国や北朝鮮の人権問題に対し立ち上がる事を恐れない、現実主義者によって構成されるだろう。
 国家戦略についての議論を、民主党は野党時代には自発的には行ってこなかった。また、鳩山氏も政権奪取後の一年目は、これを避けたがっていた。しかし、ゲーツ氏はこれを彼らに強要する事によって、民主党に恩恵を施す事となった。

 いや~、きっつい表現目白押しですね。
 まず引っ掛かったのが『defiant』。とりあえず大胆と訳したものの、他には『挑戦的』とか『反抗的』、『喧嘩腰』だの『傲然とした』などなど、ロクな意味じゃありません。
 また、後半部の『firecrakers』も、某氏によればか~なりキツい表現だとの事。通常、この種の火遊びを記す際には、せいぜいタバコを吸う等が用いられるとか。
 合衆国の国防総省や、国家安全保障会議の要職を歴任してきた知日派のグリーン氏から見れば、現在の分をわきまえない民主党の態度に相当腹を立ててるのでしょう。
 なにしろ、国家の安全保障という重大な問題を政争の具としてもてあそび、その結果、東アジア地域のパワーバランスを崩壊させようとしているのですから。…あー、最悪の場合、東アジアだけじゃなくて、中東方面もグダグダになる可能性ありますね。理由はこのブログで散々騒いでる、インド洋の給油問題を参照の事。

 さて、グリーン氏は結論として、『国民に支持されている日米同盟を破綻させるような事になれば、支持率低下や党の分裂を招くは必定。それは民主党も自覚してるだろうから、最終的には中道路線に落ち着くだろう』と書いてあるように見えますが、どうでしょうね?
 どうにも、長い間日本を研究してきた人にしては、希望的観測に傾きすぎている気もします。
 皆様ご存知のように、民主党を構成しているのは自民党田中派の末裔+旧社会党の残党+水増し用の小沢ガールズ(笑)といったメンバーであり、たとえ来年の参院選で過半数を押さえて連立解消できたとしても、状況は変わらない気がするんですよね。
 その点考えると、むしろこの記事は予想ではなく、グリーン氏や合衆国からの『警告』と受け取るべきなのかもしれません。皆様はどう思いますか?

 …問題は、民主党の面々がこの記事(ソースも含めて)読んでるとは、とてもじゃないけど思えない事なんですけどね…orz


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