またまた謎のPC職人Xこと◆bswihrZhO2様に記事をいただきました。
 今日はEV車の抱える落とし穴についてです。



 前々回に電力についてお話しさせていただきました。
 今回はEV、電気自動車についてです。
 なるほど、ゴーン社長や車業界の方々は良い線を行っているとは思います。

 しかし、ちょっと待って欲しい。
 結局のところは、電気で走るという事は発電所から電力を引っ張り、充電して走ります。発電効率と送電効率の問題に言及されてません。
 電気はバッテリーに充電できますが、マクロな視点から言うと微々たる物で大量に蓄電できる物ではありません。

 つまり、保存効率が悪いんです。
 さて、常に発電し続ける発電所の効率に言及しないとなると前提がまったく変わるんですね。
 水素燃料にこだわるのは、そういった点があるからなんですが・・・・・・まだ、数多くのブレイクスルーを必要としています。
 翻って、EVであれば製造もコストの問題を除けば手堅い技術の固まりですからすぐに出来ます。
 でも、バッテリーに使われるレアメタルとかはどうするのでしょう?
 そして、水害などの天災の多い日本ではいったい何が起こるのでしょう?
 バッテリーやモーターの防水の問題も深刻です。
 交通事故の対処も従来とは違いますから、消防関係の方々はさらに大変でしょう。
 さらに充電インフラの問題もあります。
 駐車場で充電するにしても、スペースを借りている方々はどうなるのでしょう?
 町中のスタンドで充電するにしても、災害対策に消防対策はどうするのでしょう?
 ショッピングモールやコインパーキングだと、充電時間分を余計にコスト負担する事になりませんか?
 もう少し、きっちりとした回答を用意していただきたいです。
 今の日本だと、豪雨による短時間で発生する洪水などを考慮した災害対策装備も出さない状態ではちょっと説得力が低いと言わざるを得ません。
 ハイブリッドシステムも、本家本元のディーゼル潜水艦を見習ってしっかりとしたシステムが構築されてもいません。
 まずは、きちんとした技術とシステムの積み上げをしっかりとしていただけないものでしょうか。
 さて、あたいが自力で見つけられた資料によると、2007年のハイブリッド車・EV等を含む低公害車の普及率は0.63%との事(ソース:ハイブリッド車等の保有台数及び今後の見込み)。2年も前のデータであり、エコカー減税などの購入支援補助等もあって、今はもうちょい率は上がってるとは思いますが、それでも1%を超えることはないんじゃないでしょうか?
 今後普及率を上げるとしても、その材料であるレアメタルがボトルネックとなってきそうです。皆様ご存知の通り、レアメタル・レアアースは産地が偏在しており、特にハイブリッド車の電動モーターの材料であるネオジムを含むレアアースは、90%が支那に埋蔵されていると言われています。
 今後技術が進んで、ウランと同様海水からの抽出や、近海に点在する熱水鉱床からの採集等で賄えるようになるかもしれませんが、まだまだコスト的に見合うものではなく、当面は輸入に頼らざるを得ないところ。
 また、将来の資源として有望視されている熱水鉱床も、日本近海で見つかってるのは小笠原沖と沖縄近海の二箇所だけであり、後者は当然のごとく支那が狙ってくるのは言うまでも無いでしょう。
 つまり、ハイブリッドにせよEVにせよ、普及を進めれば進めるほど原料の産出国である支那に首根っこを掴まれるという、洒落にならない事態を引き起こす可能性があるのです。
 日支関係が今以上に悪化しないという能天気な想定の下で考察を進めるにしても、支那が輸出国ではなく消費国に移行しつつある現状を考えますと、材料価格の高騰が問題になってきます。さらには、支那のレアメタルにしても無尽蔵ではない事も頭に入れておかないとなりません。
 つまり、ハイブリッド・EVのいずれも、普及すれば普及するほど原料の入手に困難を招く事となり、いずれ普及率が頭打ちになる日が来るのかもしれません。日本だけが低公害車の普及を進めるのではなく、他の先進国も同様に普及に動くでしょうしね。
 これにある程度の緩和を掛けるには、大規模なリサイクルシステムの構築が必要となり、この事も普及コストの上昇を招くでしょう。
 充電インフラに災害・事故対策、そして大規模な原料リサイクルシステム。ちょっと考えるだけでこれだけの難問が積みあがってしまいました。
 果たして、現政権はそこまで見据えた上でCO2-25%をぶち上げたのでしょうか?あたいには疑問でなりません。

 ともあれ、謎のPC職人Xこと◆bswihrZhO2様、連日の投稿ありがとうございました。

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