IBF resolution on the Hebei Two
Hebei Two問題についての国際団体交渉協議会決議

2009年5月27日

 2009年5月20日にロンドンに於いて開催された国際団体交渉協議会(IBF)会合の開催期間中、国際運輸労連(ITF)及び国際海事使用者委員会(IMEC)の代表者は、石油タンカー『Hebei Spirit』の二人の船員、Jasprit Chawla船長とSyam Chetan一等航海士の事件に対し大韓民国大法院が下した判決について詳細な評価を行った。彼らは判決の意味とその影響について議論し、以下に掲げる結論に至った。

 二人の役員に対する懲役刑判決を覆した大韓民国大法院の判決に感謝し、司法の賢明な判断に対し満足の意を表明する。

 しかしながら、衝突についての刑事告発が未だに支持されている事に落胆している。

 Hebei Spiritに対する衝突は、タグボートとクレーンバージによって強要された事を思い起こすべきである。事故当時満載状態にあった本船は、地元港湾管理当局によって指定された位置に安全を確保した上で錨泊していた。

 さらに、バージとクレーンに衝突された後、船員達が模範的態度で石油流出を局限すべく、破壊されていない油槽への貨物原油移送を試み、反対側へと船体を傾斜させ、衝突マットを巻き上げる等、彼らに可能な全ての措置を行っていた事を思い起こすべきである。

 Hebei Spiritの船員達がとったこれらの措置は模範的であり、海事関係者や石油タンカー業界の者であれば誰であれ賞賛すべき行動として、好意的評価を受けている事に注目すべきである。

 韓国の司法も一審に於いては上記の事実を認め、彼らに対する全ての告訴を退けている。

 国際的ガイドラインに従わずに作成された韓国海事審判院の調査報告書に基づいて、上告審がこの判決を覆した事を遺憾に思うべきである。

 さらに、彼らは投獄こそ免れたものの、衝突についての刑事告発は未だ除かれておらず、韓国に拘留され続けている事を遺憾に思うべきであろう。

 尊敬すべき韓国司法が快く事件を審理し、罪の無い船員達を解放し帰国許可を出すよう訴えかけていくべきである。船員達の即時解放を実現するために団結を示す事を、関係者全てに要求する。

 以上。 


国際団体交渉協議会(IBF)について(さらなる詳細はhttp://www.itfseafarers.org/about-IBF.cfmを参照の事)

 IBFとは、国際運輸労連(ITF)と国際的海事雇用者達との間で打開交渉をとりもつ協議会である。

 ITFは1999年に、世界中の船主と船舶管理会社の団体である国際海事使用者委員会(IMEC)との交渉を開始した。それからまもなく、もう一つの船主団体である国際船員労務協会(IMMAJ)も、ITFとの対話を開始している。その後、IMECとIMMAJは共に合同交渉団体(JNG)を形成した。JNGは2003年に正式に設立されている。その後組織は拡大し、韓国船主協会(KSA)が加盟している。

※さらに訳注
国際船員労務協会:日本の船主、船舶管理会社等が加盟し、全日本海員組合との間で外国人船員に関する労働条件等の諸問題について団体交渉を実施している。また、国際船員雇用者委員会(IMEC)とともに、ITFとの間にIBF(The International Bargaining Forum)を設置し、ITFがFOCと指定している国籍の船舶に乗組む船員について、賃金などの労働条件を交渉している。



 やー、言葉遣いこそ丁寧ですが、凄まじい怒りが見てとれますね。
 最終段とか、にっこり微笑みつつ拳銃向けてるようにしか思えません。さっきのエントリーと同じ事を言うようですが、この事の意味にグックさんが気付くといいんですけど…

 さて、次に掛かります

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