CSAV rescue hangs on cancellation of Samsung Heavy orderより
CSAV救済の成否は、サムスン重工が注文キャンセルを受け入れるかどうか次第

Patrick HagenとJanet Porter 2009年4月30日木曜日
 先月、ハンブルグで開催された危機対策会議の席上で、ドイツの船主達は救済計画に条件をつけた後、難問を抱えるチリの海運企業グループCSAVの生き残りは、韓国の造船会社サムスン重工業次第であるとした。

 航路を保護する国際的な努力において、4隻の12,600teu級船舶の注文キャンセルが懸案事項であるが、これまでのところサムスンは2年前に結ばれた契約を破棄する事を拒んでいる。

「我々はいかなる場合でも、これらの注文のキャンセルに応じる事は出来ない。しかし、支払延期に関しては柔軟な姿勢で臨む用意がある。現時点で我々は船主との交渉中なので、これ以上のことは何も言えない」と会社関係者は本日語った。

 4月上旬にハンブルグのシュタイゲンベルガーホテルにおいて開かれた、HSHノードバンクのコンサルタント部門であるHSH Corporate Financingによって招かれたドイツの主要船主の代理人約20人による、CSAVに対する助言を目的とした秘密会合にまで膠着状態は続く事となった。

 会合にはKGの金融会社であるHCIのF. Laeisz氏、Norddeutsche Vermögen社及びシンガポールの船主と共に、Peter Döhle Schifffahrts-KG社の代表が参加していた(訳注:ここいい加減ですorz)。

 二回目の会合は主要海運銀行と共に、翌日に開催された。

 自社航路用に30隻の船舶をチャーターしているDöhleが、CSAVの危機に最も影響を受ける事となる。 

 会合においてCSAVは、会社株と引き換えの用船料引き下げを、船主に対し提案した。

 船主達は20%の利率引下げに加え、さらに株式の形で30%相当を受け入れるよう求められた。

 それに対する反応は熱心な物ではなかったが、CSAVが注文中の12,600teu級船のうち、少なくとも4隻の船がキャンセルされるのであれば、複数の船主が提案を受けいる意思があるとロイズリストは考える。

 好況の頂点にあった2007年4月、CSAVが後に4隻を購入し、その他に4隻をチャーターする事に合意した上で、Peter Döhleは契約を結んだ。

 少なくとも一隻分の鋼材加工に着手していると考えられており、そのためサムスンは契約を破棄しない事を断言している。 多くの船舶が遊船状態となっているCSAVの生き残りを確実な物とする方策に、ドイツの船主達は強い関心を抱いている。

 彼らにはある種の譲歩をする用意がある。

 しかし、全てについて妥協する意思があるわけではない。シースパンのGerry Wang社長は、新造船4隻の用船料の値下げを受け入れるつもりはなく、CSAVがその責務を完全に果たすことを期待していると、火曜日に語った 

 ドイツの船主達は、元銀行家や船主及び弁護士に対し、見通しを突き合せた上で利害関係のバランスを取るよう要請した。

 KGハウスの経営者は、多岐にわたるデリケートな作業が、最終的合意には必要とされると強調している。

 船舶金融の情報筋によると、会合は未決済の用船料を持つ船主を宥め、CSAVの取引銀行に対し解決策が見えてきた事を示すシグナルを発する事を目的として開催されたとされる。

「彼らは船主との据え置き協定を必要としている」と、ある船舶金融関係者は語る。

 先週バルパライソでも開催された緊急会合において、CSAVのJuan Antonio Alvarez常務とJaime Claro頭取は、負担規模が以前より明らかとなった会社のリストラ計画の詳細を、株主に対し説明した。

 第一四半期の2億6590万ドルの損失は、貨物輸送料の落ち込みと重要な事業の閉鎖によって、4億ドルの前期損失に増大すると予想されており、2009年のグループ収益から10億ドルが拭い去られる事が予想される。

 CSAVは昨年の総収益を、49億ドルと発表した。

 コンテナ、リーファー、一般貨物、化学製品と自動車輸送船貿易を経営する、難問を抱えたチリの海運グループは既に660の業務を削減し、チリ内と世界中の事業所60箇所を休止する事によって、経営合理化のための重要な処置へと踏み出している。

 会合に出席した人々は、用船契約書の資本化契約に関する交渉と、新造船注文のキャンセルは未だ合意に至っていないものの、会合自体は「正しい方向に進んでいる」とも語った。
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 過去のエントリでも紹介してますけど、資金不足に陥ってるサムスンがキャンセル渋ってるお陰で、発注元の海運会社の経営再建が暗礁に乗り上げてるようです。
 Hebei号関連のスレでは「為替オプションじゃなくて、サブプラに突っ込んだんじゃない?」とか指摘が出る始末。ありそうな話ですね。
 それにしても、全額丸々欲しいと言う気持ちはわかるのですが、突っ張りすぎて発注元が破綻したら、キャンセル料すら怪しくなる事に考えが及んでないのかな…及んでないんだろうなぁ…orz

 クライスラーのチャプター11適用など、未だ世界経済の先行きが見えない中、造船の注文はしばらく伸び悩むでしょうし、来年で一重船殻型のタンカーが使えなくなるため、唯一発注が掛かりそうなタンカーにしても、Hebei号の件でINTERTANKOとか怒らせている以上、韓国の取り分があるのやら。
 案外、その辺理解してるからこそ、今取れるところから無理矢理にでも取ろうとしてるのかもしれませんね。取った後の事はどうせ考えてないんでしょうけどw

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