左:木坂哲平 右:飯沼博貴
高田:なぜパニーニというコンビ名にされたんですか?
飯沼:立派な理由は特にないんですが、短いのがいいなと思っていたんです。それで色んな人に聞いて回っていたら、『パニーニ』はどう? みたいな話になったんです。僕は凄い気に入ったので、強引なパニーニアピールを続けた結果、木坂がついに折れた、みたいな感じでした。
木坂:僕の前のコンビが漢字の名前だったんですけど、僕がまた考えたら漢字とかになってしまうかも、と思ったので飯沼に任せようと思ったんです。だからそんなに強いこだわりはなかったですね。
飯沼:パニーニ。
高田:はい?
飯沼:パニーニ。
高田:突然、どうしたんですか?
飯沼:僕に続いてパニーニって言って欲しいんですよ。パニーニ。さん、はい。
高田:パニーニ。
飯沼:どうですか?
高田:どうって何がです?
飯沼:言いやすかったでしょ? パニーニって。
高田:ああ、確かにそうですね。
飯沼:言いやすい名前が良かったんで、そういう意味ではパニーニにして正解だったかなと。
高田:パニーニって確か、料理名でしたっけ?
飯沼:はい。イタリアのサンドウィッチだったと思います。
木坂:だからバイト先で「今日パニーニ食べましたよ」とか、よく言われますね(笑)。
高田:お互いの第一印象を教えて下さい。
木坂:僕らNSCの27期で同期なんですけど、在学中は一度も喋ったことがなかったんです。
高田:それは意外ですね。
木坂:NSCでクラス分けがあったんですね。A・B・Cとクラスがあって、飯沼がAクラスで、僕はBクラスだったんですよ。その頃、飯沼を見て「えらい調子乗っとんなあ」と思っていました(笑)。
飯沼:そんな風に思われてたんや(笑)。NSC卒業して木坂が当時組んでいたコンビが、base吉本のオーディションを受けたんです。すぐに二回目くらいで通ったんで「誰やねん、こいつ」ってなりまして、木坂の顔をまじまじと見たらえらい鋭い目をしてたんです。ああ、なるどなと。
木坂:何がなるほどやねん。
飯沼:なんか知らんけど納得できてん(笑)。
高田:現在のコンビで組み始めて何組目にあたるんですか?
木坂:3組目です。
飯沼:僕は2組目ですね。
高田:パニーニとしての活動期間はどれくらいですか?
木坂:5年目になります。
高田:27期生の結束というのは強い方ですか?
木坂:27期自体があまり残っていないんですよ。だからかもしれないですけど、一体感は強いですね。キタイ花んに昔出てたマウンテンヒルとかとも仲いいですよ。
高田:お二人とも関西のご出身ではないですよね?
木坂:そうですね。僕は広島で飯沼は北海道です。
高田:北海道からでしたら、大阪よりも東京に出てこられた方が距離的には近いですよね?
飯沼:「なんでやねん」を探して関西までやってきました。
高田:はるばる、なんでやねんを求めて?
飯沼:はい。「なんでやねん!」って、突っ込んで欲しかったんです。
高田:関西にはすぐに馴染めましたか?
飯沼:高校卒業とこっちに出てきたんですけど、すぐにNSCに入学したわけではないんです。一年ほどこっちで生活して、言葉に慣れてから入ったんですよ。
高田:最初は地元の方とコンビを組まれていた?
飯沼:はい。同級生と組んでいました。
高田:念願だった「なんでやねん」は、どうでしたか?
飯沼:そこなんですよ。当時の相方が「なんでだよ!」しか言ってくれなかったんです。寂しかったですね。
木坂:そらそうやろ。北海道の人間なんやから。
飯沼:なかなか「なんでやねん」とは巡り合えないんですよ。
高田:木坂さんは、こちらに出てこられてどうでしたか?
木坂:言葉の問題で言えば、やっと広島弁が取れてきたかなという感じがしますね。結構、時間がかかりましたけど。
高田:コントをやられている時は、標準語ですよね。
木坂:そうなんです。コントの時は標準語で、それ以外でつっこむ時は関西弁になるんです。だから久しぶりに地元へ帰ると、どの言葉で喋ればいいかわからなくなるんです(笑)。
高田:コントはパニーニを結成されてから、ずっとやられているんでしょうか?
木坂:お互い前のコンビの時からコントをやっていたんです。
飯沼:コントをやるヤツと組みたいというのがあって、ちょうど同じくらいの時期に解散したんです。そういう流れで共通の先輩が“お見合いパーティー”的なものを開いてくださいまして、そこで木坂と会ったんです。
高田:ちなみにその先輩というのは?
木坂:『はだか電球』の後藤さんと、『大脇里村ゼミナール』の里村さんですね。
高田:その“お見合いパーティー”以前は、ほとんど交流がなかった?
飯沼:そうですね。ほとんど話す機会がありませんでした。
高田:先輩方にセッティングしていただいて、そのまますぐパニーニを組もうということに?
木坂:とりあえず組んでみようか、というお試し的な感じで始まって、そのまま5年目に突入しているという感じですね。
飯沼:実はまだお試し期間中なんですけどね。
木坂:えっ、まだ俺、試されてんの?
飯沼:うん(笑)。
高田:それだけ続くというのは、当然ながら相性が良かったんでしょうね。
木坂:そうですね。相性は良いんでしょうね。
高田:飯沼さんの顔色が急に変わりましたが。
飯沼:ドキドキしています。
高田:なぜにドキドキ?
飯沼:「相性が良い」という、木坂の言葉にドキドキしています(笑)。
高田:コント主体のお二人ですが、漫才という選択肢は初めからお持ちではなかった?
飯沼:漫才となると、やっぱり二人とも関西出身ではないという、言葉の壁がありますから。そうなると、木坂とやるメリットがあまりないかなと思いました。
高田:では漫才は全くなさらない?
木坂:たまにやりますけど、楽しいですよ。
飯沼:だから嫌いではないんです。
高田:お客さんの反応はどうですか?
飯沼:漫才の方が受けたりすることもあるんですよ。
高田:コントと漫才をやられる比率で言うと、どれくらいでしょうか?
木坂:9:1でコントが多いです。M-1があった時は、それ用に1本作ったりとかはしてました。
高田:コントのネタを考えておられるのは、どちらですか?
飯沼:最初は僕が書いていたんですけど、途中から木坂に変わりまして。
高田:何かきっかけがあったんですか?
飯沼:正直言うと、僕がギブアップしたんです(笑)。
木坂:もう僕が書くしかないということになって、尻に火がつきまして。
高田:それまで木坂さんは、ネタを書かれたご経験は?
木坂:全くありませんでした。飯沼がギブアップする前くらいに、飯沼が書いてきたネタを僕が直すという風になっていまして、それをやっていたらお客さんの受けが結構良かったんですね。だから段々とネタに関するウェイトが僕に寄っていったという感じです。